カズ・ガラス
Casey
アイルランド生れの作家ジェラルド・ハンリーの小説を、ジョン・ゲイが脚色、「エルダー兄弟」のヘンリー・ハサウェイが製作・監督した。撮影は「わが命つきるとも」でアカデミー賞を獲得したテッド・ムーア、音楽はジョン・ダンクワースが担当。なお、この作品は2班編成で撮影が行なわれ、第2班は、監督にリチャード・タルマッジ、撮影にジョン・コキロンが当っている。出演は、テレビ出身の新人カズ・ガラス、「大強盗団」のスチュワート・グレンジャー、「殺しのエージェント」のガブリエラ・リクーディ、「カーツーム」のジョニー・セッカ、ライアム・レッドモンド、など。
野性王国アフリカは、いまその様相を大きく変貌しつつあった。そんなアフリカへ、アメリカのプレイボーイ、ケイシー(カズ・ガラス)が、アメリカの贅沢な生活をそのまま、そのうえ女友だちのグラントまで連れて大がかりな狩猟隊を組織してやってきた。むかしかたぎのベテラン・ハンター、ギルクライスト(スチュワート・グレンジャー)は、そんなケイシーとは、うまくゆかず、ある日とうとう衝突、ライセンスを返上した。ギルクライストがライセンスを返上したことには、もう1つ、かつて親友を殺した凶暴な像=ビッグ・レッドを撃ち殺そうという考えがあった。全財産を売り払い、数人を雇ったギルクライストは、奥地に出発した。その一行に、ケイシーはグランとを連れて、強引に同行した。途中、国境で起こった紛争にまきこまれ、ギルクライストは原住民軍に追いつめられ、あやういところを、ケイシーに救われた。最後のキャンプについたギルクライストとケイシーは、グランとを残しチョングーとヤマの2人を連れて、さらに奥地に進んだ。数日後、彼らはビッグ・レッドと出会ったが、ギルクライストは、緊張と恐怖のために、引き金を引くことができず、ケイシーに危ないところを助けられ命びろいした。ビッグ・レッドはいったんは引き返したが、仲間のゾウを連れて逆襲してきた。ギルクライストに長い間待っていた瞬間がきた。引き金にさえ手をかければ、ビッグ・レッドを倒せる状態がきた。だが、その時、彼には自信と、ハンターとしての誇りが戻ってきた。彼は引き金を引かずに、ビッグ・レッドを逃がしてやった。ギルクライストは再び野獣とともに生きる決心をした。そしてケイシーは単なるプレイボーイから“男”になって、去っていった。
Casey
Gilchrist
Grant
Jama
Alec_Beaument
Refugee_Leader
Chongu
Rich
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