熱いトタン屋根の猫
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熱いトタン屋根の猫

1958年12月24日公開
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『欲望という名の電車』『バラの刺青』などで知られるテネシー・ウィリアムズのヒット舞台劇の映画化で、298回の上演記録をもつ同名の戯曲を、「暴力教室」「カラマゾフの兄弟」のリチャード・ブルックスが監督した。脚色はブルックス自身とジェームズ・ポー。撮影を「夜の道」のウィリアム・ダニエルズが監督。主演は「愛情の花咲く樹」のエルザベス・テイラーに「左ききの拳銃」のポール・ニューマン。ニューマンは1958年度カンヌ映画祭で主演男優賞を受けた。他に「楡の木陰の欲望」のバール・アイヴス、「赤い家」のジュディス・アンダーソン、「スタア誕生(1954)」のジャック・カーソン、マドレーヌ・シャーウッド等が出演、アイヴスとシャーウッドは舞台でも同じ役を演じている。南部の大農園の相続をめぐって、もろもろの欲望のうずまく一家の人間像を描き出すドラマ。製作はMGM 傘下のエイボン・プロを主宰するローレンス・ウェインガーテン。

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ストーリー

大おじいちゃまと家族の者から呼ばれる大農園主、ポリット家の当主(バール・アイヴス)が邸に帰ってきた。65歳の誕生日を迎える彼を、長男のグーパー(ジャック・カーソン)とその妻メエ(マドレーヌ・シャーウッド)、蛙の化物のようなふたりの5人の子供たちが、ことさらぎょうぎょうしく歓迎した。癌という不治の病を得ている当主の莫大な財産を、何とか有利に相続しようというのだ。米国各地の医師の診断を受けて帰ってきた当主には、もう1人の息子、次男のブリック(ポール・ニューマン)がいた。フット・ボール選手のブリックと、彼の妻マギー(エリザベス・テイラー)は、父にとって信頼するに足る夫婦だった。しかし、現在のブリックは酒に酔い、妻マギーとも「夫婦生活」をしようとしない焦燥の日々を送っていた。彼にはかつてスキッパーという親友があった。父よりも、妻よりも、彼はスキッパーを愛した。妻のマギーにとっては当然スキッパーは邪魔な存在だった。2人の間が親密になるほど、マギーは夫をとりもどそうと苦しんだ。そしてスキッパーのホテルを彼女が訪れた夜、スキッパーは自殺した。それから、ブリックは妻を妻として愛そうとしなくなったのだ。財産争いと夫の焦燥にはさまれたマギーは、熱いトタン屋根に追いつめられた猫のような存在となった。父の誕生日のパーティは異様な雰囲気のうちに、雨のため屋内に移った。父と喧嘩したブリックは、彼が癌に犯されているという秘密を思わず口走った。父は、やっとこのパーティの不気味な雰囲気の原因を知った。母は泣いた。居間では、長兄のグーパーが財産相続手続き書の承認を求めた。しかし、父は拒否した。父を真ん中に、ブリックとマギーは自分たちのおかれている立場と、心の問題に正面から対決した。ブリックを愛するマギーは、妊娠を告白した。父は、彼等2人に財産をゆずることを告げた。熱いトタン屋根の上の猫のような存在から、今は抜け出ることの出来たブリックとマギー。新しい出発をすべく、ふたりは今度こそ本当の夫婦として抱き合った。

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作品データ

原題
Cat on a Hot Tin Roof
製作年
1958年
製作国
アメリカ
配給
MGM
初公開日
1958年12月24日
製作会社
MGM映画


[c]キネマ旬報社