デボラ・カー
Ida
ジョン・クレアリーの原作をイソベル・レナートが脚色し、「尼僧物語」のフレッド・ジンネマンが監督したドラマ。撮影は「悪魔の弟子」のジャック・ヒルドヤード、音楽をディミトリ・ティオムキンが担当。出演は「悲愁(1959)」のデボラ・カー、「怒りの丘」のロバート・ミッチャム、「スパルタカス」のピーター・ユスチノフ、ほかにグリニス・ジョンズ、ダイナ・メリル、チップス・ラファティら。製作フレッド・ジンネマン。
アイルランド系オーストラリア人の大男バディ・カーモディ(ロバート・ミッチャム)は草原に羊を追って旅する男だ。妻のアイダ(デボラ・カー)と1人息子のショーンが馬車で旅する彼の家族である。草原の渡り鳥として暮らしている彼らは、この頃では1件の家に定住したいと考えるようになっていた。やがてバディは1200頭の羊をカウンドウェルまで運ぶことになった。ベネカー(ピーター・ユスチノフ)というイギリス人が彼らと同行することになった。西に向って400マイル。彼らはベイトマン1家の世話になった。この家族にはマージという都会風の14歳の娘がいて、ショーンに好意をみせた。クラウン森の山火事を抜け、目的地に羊を届けると、妻アイダは夫にこの町で働こうと提案した。ボブ・ホルステッド経営のワトル・ラン羊大牧場で1家は働いた。ベネカーもホテルを経営する美しい未亡人ファースに会ってこの町にとどまることにした。ホルスデッドの若妻ジーンや組合代表者ブルーイの妻リズと知り合ってアイダは牧場での生活を楽しんだ。バディはそんなアイダの態度を好かなかった。やがてシーズンが終ってカーモディ1家とベネカーは牧場を出た。途中にある競馬場でショーンがサンダウナー号という馬にのって競馬に勝った。この馬を自分たちのものにしたバディは競馬に熱を入れるようになった。だがブリンダの大競馬でサンダウナー号は進路妨害で失格し、賞金で農場を買おうと考えていた1家の望みは消えた。ベネカーはイギリスに帰ることになった。アイダは、こんどベネカーがこの国にきた時には、自分たちは農場をきっと手に入れていると笑顔で語るのだった。
監督、製作
脚本
原作
撮影
音楽
美術
編集
[c]キネマ旬報社