エドワード・G・ロビンソン
Vincent_Canelli
「白い羽根」のレオナード・ゴールドスティーン・プロの1954年製作ギャング映画。「六つの橋を渡る男」のシドニー・ボームが脚色、「デカメロン夜話」のヒューゴー・フレゴニーズが監督に当たった。製作はロバート・ゴールドスタインである。撮影は「凸凹海賊船」のスタンリー・コーテス、音楽は「コロラドの決闘」のポール・ダンラップである。主演は「欲望の谷」のエドワード・G・ロビンソンで、「長い灰色の線」のピーター・グレイヴス、「アリゾナの勇者」のジーン・パーカー、「長い灰色の線」のミルバーン・ストーン、「裸足の伯爵夫人」のウォーレン・スティーヴンスなどが助演する。
殺人鬼ヴィンセント・キャネリ(エドワード・G・ロビンソン) はシンシン監獄の独房で明日火曜日に迫った死刑執行を待つ身であった。隣の独房にいる殺人犯ピーター(ピーター・グレイヴス)もやはり明日電気椅子にかけられることになっていた。しかし、キャネリの情婦ハティ(ジーン・パーカー)は看守長ノリスの娘エレンを誘拐し、父親を脅迫して、死刑執行当日立会人の椅子の下にピストルをかくしておくことを約束させた。当日社命で死刑に立ち会うことになった新聞記者カースンは、監獄へ行く途中キャネリの配下ジョーイに襲われ、立合証明書と身分証明書を奪われてギャングの巣窟に連れ去られた。新聞記者カースンに化けたジョーイはうまく死刑室に入りこみ、看守長のかくしたピストルを引き抜いて、看守長と看守を1人射殺した。そのすきにキャネリは鍵束を奪い、ピーターほか3人の死刑囚を助け出した。看守たちと囚人たちの間に烈しい撃ち合いが始まり、ピーターは胸に重傷を負った。キャネリは用意してあった車に立会人の牧師、医者、看守の3人を人質として乗せ、ジョーイ、ピーターとともに彼らのアジトの倉庫へ逃げて来た。そこにはハティ以下の一味とエレンと新聞記者がいた。ピーターの負傷で、飛行機による国外逃亡の計画実行が不可能になったキャネリは、ピーターを責めて彼がかくしてある20万ドルのありかを知ろうとした。翌日ピーターはハティに附添われて銀行へその金をとりに行ったがそのとき傷口が裂け、血の指紋を後に残して来てしまった。銀行員は直ちに警察に知らせた。倉庫でキャネリが不要となった人質を片附けようとしているとき、警察は倉庫を包囲し、銃撃戦が展開された。屋根裏へ追いつめられたキャネリは包囲をとかねば30分ごとに人質を1人ずつ殺すと宣言したが、ハティが流れ弾に当たって死んだと知って絶望のあまり気狂いのようになり、牧師を殺そうとして、良心にめざめたピーターに射殺された。倉庫の扉を開いて武器を捨てたピーターは警官隊の猛射撃の前に、短い一生を閉じた。
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