シナラ
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シナラ

1932年公開
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「街の風景」「チャンプ(1931)」「南海の劫火(1932)」に次ぐキング・ヴィダー監督作品で、ロバート・ゴーア・ブラウン作の小説「不完全な恋人」に基づくH・M・ハーウッド、ゴーア・ブラウン合作の舞台劇を映画化したもの。脚色には「チャンプ(1931)」「秘密の6」のフランセス・マリオンと「第一年」「女に賭けるな」のリン・スターリングが共同で当たった。主役は「人類の戦士」「国際盗賊ホテル」のロナルド・コールマンが勤め、「極楽特急」「宝石泥棒」のケイ・フランシス、舞台からきたフィリス・バリー、「謎の真空管」のヘンリー・スティーブンソン「暁の耕地」「御冗談でしョ」のフロリン・マッキニー等が助演している。撮影は「海賊(1931)」「御冗談でしョ」のレイ・ジューンの担任である。

ストーリー

弁護士のジム・ワーロックは妻クレメンシィを愛していた。他の女には見向きもしなかった。ジムはかくして七回目の結婚記念日を楽しく迎える心組みだった。ところがその前夜クレメンシィは妹のゴーラを詰まらぬ恋愛沙汰から遠ざけるために、ゴーラを連れて急にヴェニスへ行くことになった。ジムはロンドンに一人残されてさみしかった。友人のジョン・トリングに誘われてひどく平民的な伊太利料理店に晩飯を食べに行った。そしてトリングの発議で隣卓のマネキン二人を誘って食事を共にし、映画見物へ行った。ジムは妻のクレメンシィを愛しているのであったが、マネキンのドリス・リーに何か心をひかれた。それからしばらくの後、ジムは女子水泳競技の審査員に選ばれ、ドリスに一等賞を与えた。その時ドリスが脚をくじいたのでジムは彼女の住む安アパートへ送っていった。彼はすぐに帰ろうとしたがドリスに引き止められた。ドリスはジムに妻があることを知りつつ彼に恋を感じた。彼女は恋人に棄てられて一人ぼっちで寂しかったのであった。ドリスはジムに奥さんが帰ってくるまででいいから愛してくれと頼むのだった。かくでジムとドリスとは愛した。ジムはドリスが好きだった。しかし彼は妻のクレメンシィを愛するようにはドリスを愛しているとは自分では思わなかった。だからクレメンシィがヴェニスから帰ると聞くとジムは別れ話しを持ち出して無理に承知させた。だがドリスはジムを愛し、彼のみを頼りにしていた。妾で構わないないから逢うことだけ逢ってクレと頼まれても正直なジムは妻を欺く苦痛に耐えられないのでその乞いをも却けた。ドリスはジムが訪れる約束を果たさなかった日、絶望して毒を飲んで自殺した。証人として法廷に喚問されたジムは自責の念に絶えず、ドリスがかつて処女を失っていたという事実を明かさなかった。法律はジムを罰しなかったが、全ロンドンは彼を非難した。ジムは自らロンドンを去って南アフリカへ1人赴くこととなった。クレマンシーはナポリまで送っていった。そして分かれたが、トリングが遠く駆けつけて彼女を説いた。クレメンシィは夫が激しく自責していることを思い彼を慰めようと出帆間際の汽船に乗り込んだ。

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作品データ

原題
Cynara
製作年
1932年
製作国
アメリカ
配給
ユナイテッド・アーチスツ支社
初公開日
1932年
製作会社
ユナイテッド・アーチスツ映画


[c]キネマ旬報社