リチャード・ハリス
Kilpatrick
無法者の一団に愛する妻子を殺され、復讐の鬼と化した名保安官の戦いを描く。製作総指揮はエドワード・ローゼン、製作はフォアド・セイド、監督は「110番街交差点」のバリー・シアー、原作はサミュエル・フラーの「リアタ」、脚本はルーカス・ヘラー、撮影はガブリエル・トーレス、音楽はフレッド・スタイナー、編集はマイケル・エコノモーが各々担当。出演はリチャード・ハリス、ロッド・テイラー、アル・レッティエリ、ネヴィル・ブランド、ウィリアム・スミス、ポール・ベンジャミン、ペドロ・アルメンダリス・ジュニア、イゼラ・ベガ、ケリー・ジーン・ピータースなど。
銃を持たない名保安官キルパトリック(リチャード・ハリス)の名は、テキサスばかりではなくメキシコにまでなり響いていた。ある日、この平和な町に、突然フランク・ブランド(ロッド・テイラー)をリーダーとする、チュー・チュー(ネヴィル・ブランド)、スクールボーイ(ウィリアム・スミス)の無法者4人組が乗り込んできて銀行を襲った。保安官キルパトリックとその助手ビルは町中の男たちの協力を得て手際よく犯人を追いつめて行った。だが、追いつめられたブランドは学校へ逃げ込み、1人の子供を人質にして包囲の網をくぐり抜けると、一目散に国境を越えて安全地帯のメキシコに姿を消した。その逃走の途中、子供は馬からふり落とされて後足で踏み殺され、息子を救おうと追いすがった母親(ケリー・ジーン・ピータース)も銃弾を撃ち込まれて命を落とした。少年の名はケビン、母親はキャサリン、2人はキルパトリックの妻と子だったのだ‥‥。愛する妻と子を同時に失ったキルパトリックの胸はすさまじい憤怒にふくれあがり、越境してまで犯罪人を追う権限が自分にないことを承知の上で、同じく一味を追っているメキシコ人保安官グチエレス(アル・レッティエリ)の忠告も無視したばかりか、グチエレスを殴り倒して4人を追った。その甲斐あってようやく無法者4人を捜し出したが巧妙な罠に落ち、血みどろのリンチにあったり、顔前で爆発した銃弾のために一時的な失明状態に陥ったりしながらも、キルパトリックは不屈の闘志を発揮して一味を追いつめ、そして次々に射殺していった。この間、グチエレスとはお互い反目しながらも助け合い、男同志の友情が芽ばえていった。だが、あくまで法に生き一味を逮捕し公平な裁判にかけるべきだと主張する彼と、奴らのような悪党には法律などでは手ぬるいというキルパトリックの間には相いれぬ男の意地の対立があった。そしてついに、グチエレスやブランドの情婦マリア(E・ベガ)の助けを借りてブランドを尼僧院に追いつめると、キルパトリックはグチエレスを倒し、マリアに彼を運ぶよういいのこし単身尼僧院に乗り込んでいった。その尼僧院は孤児院を兼ねておりブランドは眼に入れてもいたくない1人娘に会いにきたのだった。皮肉な運命のもと、壮烈な銃撃戦の末、怒りに狂ったキルパトリックはブランドの1人娘に銃口をつきつけ、ついに彼を逮捕した。グチエレスとの約束に従って、彼はブランドを町まで連れ帰ることにした。その旅の途中、ブランドは死の苦しみを味あわされ、ついには殺してくれとまでいった。たが、町につくと、グチエレスはブランドを犯人だとする証拠がなくなってしまってという。小踊りして笑いころげるブランドを、キルパトリックは無表情に射殺するとグチエレスの制止もきかず、地平線に向かって去っていくのだった。その魂の抜けがらのようなキルパトリックの背に向けて、グチエレスの銃が唸ったのは、その直後だった。
Kilpatrick
Brand
Gutierrez
Choo_Choo
Schoolboy
Jacob
Blacksmith
Katharine
Kevin
Deputy_Bob
Priest
監督
脚本
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
編集
字幕
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