チャールス・ビックフォード
Louis_Garrett
「暴君ネロ(1932)」に次ぐセシル・B・デミル監督作品で、「犯罪都市(1931)」「キック・イン」のバートレット・コーマックが原作脚色、「鉄窓の女」「春の驟雨」のペヴァレル・マーレーが撮影に当たった。出演者は「ビール万歳」「地下の雷鳴」のチャールズ・ビックフォードを始め、「乗合馬車」「鉄血士官校」のリチャード・クロムウェル、新進のジュディス・アレン、「略奪者」「女給と強盗」のハリー・グリーン、「夜毎来る女」のブラッドリー・ペイジ、「燃ゆる海原」のエドワード・ヌージェント、「鉄血士官校」のベン・アレクサンダー、ファッジー・ナイト、ジョージ・バービア等である。
ある中学校の近くに仕立て屋兼洗濯屋を営んでいるハーマンは、人の良さそうな外貌に似ず気丈な男で、この商売は土地のギャングにテラ銭を納める習慣で、親分ギャレットに再三の強請を受けても平然として相手にしなかった。ある日遂にハーマンの店はギャレットの乾児に爆破され、その夜ハーマンはギャレットに殺されてしまった。これを目撃していた学生のスチーヴ・スミスをギャレットは打ちのめして遁走し去った。時も時、学校では実習が始まり、スチーヴは地方検事に、ガス・ルフォは市の裁判官に、ビリー・アンダーソンは警察署長になることとなった。この機会を利用して彼等は合して一丸となり、あくまでもギャレットの罪をあばいて悪を一掃せんとしたが、証拠不十分のためにうまくいかなかった。そこで彼等は証拠かためをなさんとハーマンの店に赴き、ギャレットの片方のカフス・ボタンを手に入れた。そしてもう一方をギャレットのアパートに押し入って手に入れることに相談一決した。スチーヴの親友ドン・メリックの妹ゲイは、ギャレットの片腕トリドの飲み友達のモリー・ドーヴァーと共にギャレット経営のキャバレーに行った。ゲイをめぐってモリーとスチーヴは恋敵であったが、キャバレーでゲイはスチーヴ達の計画をモリーに話した。モリーはこれを全然冗談だと思い、何気なくギャレットに告げた。ギャレットは自宅に取って返し、カフス・ボタン捜索中のスチーヴ等の不意をうちビリー・アンダーソンを射殺し、その罪をガス・ルフォに被せた。そこでスチーヴは同志の学生等を語らいギャレットを捕らえて、私刑裁判を行う計画を樹てた。夕方になるとギャレットがトリドと共にある靴磨きスタンドに現れるのを知り、スタンドの黒人を買収し、一方ビリーの死に責任を感じているモリーとゲイをしてトリドをモリーの部屋に釘付けにさせ、首尾よくギャレットを捕まえた。ギャレットは数千の学生がたむろしている寂しい廃墟に連れ込まれ、ハーマン殺しの犯人である事を自白させられた。モリーとゲイの行動に不信を抱いたトリドは駆け付けた仲間から事の次第を聞かされ、大勢の仲間を連れて現場へ向かった。この事を一歩先にスチーヴに知らせようとゲイも現場へ急ぎ、途中で警官の応援を求めた。警官隊は彼等が殴り込もうとする間際を取り押さえることが出来た。かくしてスチーヴ等はギャレットを町中引き回した後、裁判官を促して公判を開き、完全にギャレットに泥を吐かせ、悪を懲らすことに成功したのであった。
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