ジャッキー・グリーソン
Gigot
「ハスラー」でアカデミー賞候補に上ったジャッキー・グリーソンが自作、自演し、作曲もした。製作は「パスカービル家の犬」のケネス・ハイマン。脚色は「八月十五夜の茶屋」のジョン・パトリックが担当、俳優ジーン・ケリーが演出した。出演者はジャッキー・グリーソンの他に子役ダイアン・ガードナー、「情婦マノン」のガブリエル・ドロジェルほか。撮影は「黒いオルフェ」のジャン・ブールゴアンで、パリ・ロケによって作られた。
1920年代のパリ。ジゴ(ジャッキー・グリーソン)は口が不自由でお人好しのアパートの小使だが乏しい給金でクッキーを動物達に与える愛すべき大きな体の男である。ある夜、彼の「趣味」である他人の葬式の帰り、町の男に酒を飲まされての帰途、ニコル(ダイアン・ガードナー)という少女とその母親のコレット(キャスリン・カース)が雨の中をある家の戸口にうずくまっているのに同情し、2人を自分の住居である地下室に連れて帰った。そしてニコルはだんだんジゴになついていった。ある日、ジゴの貧しさを罵って出て行こうとするコレットをニコル可愛さに、ベーカリーの金を盗み出し、2人に振舞った。その夜コレットは情婦と外泊、翌朝帰ってみると2人がいなくなっているのをジゴがニコルを誘拐したのだと騒ぎ立てる。街の人たちは集まって家捜ししているうち、盗んだ金の包んであった金袋を発見された。当のジゴは、地下室の下にある穴倉で遊んでいたが、天井がくずれ落ち、ニコルが下敷きになり、気を失う。彼は彼女を救け出すと、教会にかつぎ込み、牧師に医者を呼んでもらう。だが、街の人に見つかり、追われて逃げるうち、セーヌ河に落ち、姿を消す。街人は彼が死んだものと思い、その死を悼んで盛大な葬式を営んでやった。翌日、彼の葬式が行なわれると、生きていたジゴがこっそりとその後をつけていた。
Gigot
Colette
Mrs._Brigitte
Gaston
Alphonse
Lucille_Duval
Nicole
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