シンガーソングライターあがた森魚が、2008年8月に北海道からスタートした全国67箇所縦断ライブツアーに密着。全国各地で見せる彼の姿を通して、デビュー以来貫いてきた、奔放なあがた的生き方に迫るドキュメンタリー。監督は「半身主義」の竹藤佳世。オウム真理教を追ったドキュメンタリー「A」の森達也が監修。
ストーリー
2008年8月、北海道・釧路。まもなく還暦を迎えるシンガーソングライターあがた森魚の無謀なチャレンジが始まった。日本最北の地から、南は沖縄・石垣島まで全国67箇所を、たった1台のキャンピングカーでめぐるさすらいの全国横断ライブツアー。留萌、小樽、青森、函館、横浜…。様々な土地を、漂流するように生きてきた人生をなぞるように、車は波瀾万丈の旅路を行く。行く先々で畳の上、テーブルの上など、あがたの立つところがそのままステージと化す。熱く語り、はしゃぎ踊り、酔いつぶれ、怒鳴り、ちょっとだけ泣く。奔放すぎる生き様と、心に染み入るメロディ。音楽からもはみ出してゆく、剥き出しのあがた森魚。デビューから苦悩と葛藤まで、すべてを映し出す。1972年、“赤色エレジー”の爆発的ヒットで華々しいデビューを遂げたあがたは、これまでに30枚を超えるアルバムを発表。さらに、シンガーソングライターだけにとどまらず詩人、俳優、エッセイスト、映画監督など、ジャンルも常識も軽々と飛び越えて、あがた的生き方を貫いてきた。彼を称して友人の矢野顕子は“天然記念物”と呼ぶ。その半端ではない数の顔が、今回のツアーの道のりに凝縮されている。還暦を過ぎて、わめいたり叫んだり。そのすべては、旅のゴール、東京・九段会館での感動的なフィナーレへと続いていく。ツアーのスタートから、鈴木慶一を始めデビュー当時あがたを支えたバンド“はちみつぱい”のメンバーや、矢野顕子、緑魔子らが参加した東京でのファイナルイベント“あがた森魚とZipang Boyz號の一夜”までの半年に完全密着。