貧しい暮らしからスターとなり、71歳の今も全国を回って歌い続ける双子の歌手、こまどり姉妹。2005年から3年に渡って彼女たちに密着取材し、数々の苦難を乗り越え、戦後を生き抜いてきたその人生に迫るドキュメンタリー。監督はオムニバス作品「歌謡曲だよ、人生は」の中の一編「ラブユー東京」を手掛けた片岡英子。
ストーリー
71歳を迎えた今も、日々こまどり姉妹は日本のどこかのステージで熱唱している。彼女たちとともに戦後を生き抜いてきた観客は歌に酔い、貧乏話に笑い転げ、最後は1人残らず涙を流す。ユーモラスな語り口で人生を語り、観客に笑いと涙と感動を与えて続けているのだ。釧路の貧しい家に生まれた双子の姉妹、長内栄子と敏子が歌い始めたのは12歳の頃。決して歌が好きだったわけではない。家々を訪れて歌う“門付け“として日銭を稼ぐことが目的で、歌は生活のための手段に過ぎなかった。やがて、”門付け“よりも”流し“の方が稼げると聞いた一家は、上京して山谷に移り住む。浅草で流しを始めた姉妹だったが、同業者の嫌がらせに会ったり、廃人寸前のヒロポン中毒者に怖い思いをしたりと、辛い生活を経て、やがてお座敷で歌うようになる。そして訪れた芸能界入りのチャンス。21歳の時、”浅草姉妹“でデビューした2人はたちまち人気者となる。”三味線姉妹“や”ソーラン渡り鳥“など、次々に新曲を発表。紅白歌合戦や数多くの映画にも出演する。だが、その幸せは長くは続かなかった。妹の敏子が熱狂的なファンにステージ上で刺され、重傷を負うという事件が起きたのだ。懸命のリハビリを経て回復を見たものの、次はガンに冒されていることが判明。闘病生活を余儀なくされたところに、両親が立て続けに亡くなるという不幸に見舞われる。姉の栄子も、妹の介護のため、子供まで授かりながら恋人と別れざるを得なかった。再びどん底の生活を送ることとなった姉妹。だが、敏子は奇跡的にガンを克服して再起を果たす。1983年に再出発した2人は、幾多の困難を乗り越え、デビュー50周年を迎えた現在も全国を飛び回り、華麗な歌謡ショーを繰り広げている。昨年には、その功績が讃えられて、”日本レコード大賞功労賞“を受賞した。
キャスト
スタッフ
監督
片岡英子
製作
桝井省志
撮影監督
長田勇市
編集
村上雅樹
編集
宮島竜治
録音
郡弘道
プロデューサー
土本貴生
プロデューサー
山川雅彦
音楽録音
鳥光浩樹
題字/タイトル
赤松陽構造
製作主任
井手浩一朗
コラム・インタビュー・イベント
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作品データ
[c]キネマ旬報社