トム・ローリン
Billy_Jack
E・ジェームズ・ロイドの脚本を、T・C・フランクが監督にあたった若者を描いた作品で、スタッフ、キャストともにオフ・ハリウッド系の人材でかためている。撮影はグレゴリー・サンドール、音楽はマイケル・カーブが担当した。出演はトム・ローリン、エリザベス・ジェームズ、ジェレミー・スレートほか。
アメリカ西海岸の田舎町。緑の山を背にしたこの町は、一見のどかで何の変哲もないが、実は“天使たち”と呼ばれる若者が、日夜、町の人々を脅かしているのだった。ナチ風のミリタリー・ルックに身をかため、オートバイに乗って非行の限りをつくす彼らは、実のところ“地獄の天使”たちだった。町の人々は怖れ、おびえ、かかわり合いになることを恐がり、警察も無力だった。ある日、天使たちが車に乗った青年に暴力をふるったが、人々は皆、見てみぬふりをするばかり。そこへ1人の若者が立ち向かった。彼の名はビリー(トム・ローリン)といい、インディアンの血をひく混血の青年である。彼は闘ったが結果は留置場入り。町の人々の警察への不信は、いよいよ高まった。天使たちは、さらに強い刺激を求めるようになり、町の少女たちを彼らのアジトに連れ込むようになった。町の少女ばかりではない。ある日たまたま、この町を通りかかったビッキー(エリザベス・ジェームズ)という娘さえ拉致し監禁した。彼女は何とか逃れ、町の人に助けを求めたが、後難を恐れてか、誰も手をさしのべようとしない。これら集団暴行事件に警察もやっと動き出したが、本人も家族も何もしゃべらないため捜査は難行。しかしその時、暴行されたルーアンの父親が娘を証人にすると名乗りをあげた。しかし天使たちは、ルーアンを連れ出し、父親に脅迫の電話をかけた。一方、病院に収容されていたビッキーが証人になることを承諾した。だが天使たちは、彼女をも病院から連れ出した。彼女を救ったのは偶然、現場にいあわせたビリーである。彼は傷心のビッキーを、山にある自分のトレーラーに連れていった。だが、そこへも天使たちはやって来て、ビリーを痛めつけた。こうなっては、警察は何の役にもたたない--。ビリーはショット・ガンを持って、天使たちのアジトに向かった。火を吹く銃。ボスのダニーが倒れた。いまだ傷いえぬビッキーを病院に運べと叫ぶビリー。そして間もなく警官隊が到着した。ボスを失った天使たちは警官隊に簡単に屈服した。天使の1人と思い込んだ警官はビリーの背に銃をあびせる。彼は、かつてビッキーと楽しい一時を過ごした山のトレーラーの側に倒れていた。パトカーで駆けつけたビッキーの心は、ビリーへの深い愛情で満たされていた。
Billy_Jack
Vicky
Danny
Child
Speechless
Jodell
Sheriff
District_Attorney
Mrs._Shorn
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