戦後の日本を代表する知識人として発言を続け、2008年にこの世を去った加藤周一が最後に残したメッセージを、彼自身の歩みとともに構成したドキュメンタリー。監督はNHKのドキュメンタリーなどで活躍する鎌倉英也。加藤周一に影響を受けた人だけでなく、彼をこれから知ろうとする人にとっても最良の出発点となる作品。
ストーリー
文学を始めとする芸術全般、文明、社会、政治と、幅広い視点から日本について語り続けてきた知識人、加藤周一。2008年12月にこの世を去った彼が最後に試みたのは、“決して意見が変わることのない”幽霊たちとの対話だった。戦時中に、自らの運命との共通性を感じた源実朝。自由な言論が失われた中でも意見を曲げることのなかった学者の神田盾夫、フランス文学者の渡辺一夫といった恩師たち。そして、学徒出陣で戦地に向かい若い命を落とした友人。彼らに語りかける加藤の言葉の中から、日本の今と未来が浮かび上がる。若い世代への期待を語った講演と、2008年8月に収録した生前最後のインタビューも収録。