ドロレス・コステロ
Dolores_Vasquez
「テンダーロイン」「ノアの箱船」のドロレス・コステロ嬢主演映画で、「ノアの箱船」と同じくダリル・フランシス・ザナック氏が原作し、アンソニー・コールドウェイ氏が脚色したものを、「クラック将軍」「ジャズ・シンガー(1927)」と同じくアラン・クロスランド氏が監督し、「テンダーロイン」「ブロードウェイ(1929)」のハル・モーア氏が撮影した。助演者は「支那街の夜」「ジャズ・シンガー(1927)」のワーナー・オーランド氏、「悪魔の曲馬団」「決死隊」の故チャールズ・エメット・マック氏、「ノアの箱船」のジョセフ・スウィッカード氏、「海のロマンス」の上山草人氏、「ピカデリー」のアンナ・メイ・ウォン嬢、ジョン・ミルジャン氏、ウィリアム・デマレスト氏、アンダース・ランドルフ等である。
西暦1769年スペインの貴族エンリケ・デ・サラノ・イ・バスケスは新大陸の太平洋沿岸を巡航して天然の良港を発見し、そこに上陸して永住することとなり、代々地主として繁栄した。その後この地はサンフランシスコと命名され、有名な金鉱発見と共に移民が殺到しついに大都会となった。ところが当主ヘルナンデスが家督を相続した頃からバスケス家の基礎もゆるみ、僅かに牧場とその周囲の地を守って昔日の面影を忍ぶよすがもなかった。ヘルナンデスの孫娘ドロレスは天性の美女で一日土地を購入にきたテレンス・オショーネッシーと相見て互いに憎からず思うようになった。テレンスの伯父マイケル・ブランドンは中国街の権勢を握っている不可解な怪人物クリス・バックウェルと共謀しバスケス牧場を奪取する悪計をめぐらす。クリスはドロレスを垣間見てその美貌に心を奪われ、友人らしく装ってバスケスに近づき、機会を作ってドロレスに挑みかかったが、折から駆けつけたテレンスの一撃に追い払われた。憤慨したクリスはついに権勢を利用してバスケスの財産を取り上げる手筈を決め、単身バスケスを訪問した。これに激怒してバスケスは心臓マヒを起こして死去した。ドロレスは復讐を神に誓った。その様を見たクリスは何故か怖れて逃げ去ったので、ドロレスは彼が中国人であることを知り、テレンスの助勢を得てクリスを失脚せしめた。クリスは絶望と憤懣からドロレスを拐して好色の中国人に売ろうとした。時、突如有名なサンフランシスコ大震災が勃発し邪悪の人々は滅びてしまった。ドロレスとテレンスは災厄を逃れて新生活に入ることが出来た。
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Vasquez_Grandson
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