監督、脚本
軍事政権による厳しい情報統制に抵抗しながら、ビルマの現状を世界に配信しているVJ=ビデオジャーナリストたちの活動をとらえたドキュメンタリー。監督は、デンマークの人気バンドGasolinのドキュメンタリーを監督したアンダース・オステルガルド。第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート。
ストーリー
ビルマでは軍事政権による独裁が続き、民主化運動の指導者アウンサンスーチー氏はいまだ自宅で軟禁されている。情報統制は苛烈を極め、外国人ジャーナリストの入国が厳しく制限されているため、国の外側からビルマ国内で何が起こっているかを知ることは非常に困難である。2007年9月、約2000人の僧侶たちが立ち上がり、最終的に10万人の人々による反政府デモに発展した。このデモの様子が世界中のニュースで報道された陰には、“ビルマ民主の声”のVJ=ビデオジャーナリストたちの活動があった。彼らは拷問や投獄のリスクを顧みず、小型ハンディカムで撮影した映像を密かに国外に送り、CNNなど国際的なメディアに無償で配信している。豪雨のなか、デモ隊がアウンサンスーチー氏を訪問する姿や、日本人ジャーナリスト長井健司氏が国軍兵士に故意に射殺される瞬間も、彼らが世界に配信した。本作はVJたちが撮影した緊張感溢れる映像に、関係者の身の安全のため当事者の協力によって撮影された再現映像を組み合わせ、再構築している。主人公であるジョシュアと名乗る若いVJの“心のレンズ”を通して、彼が感じた恐怖や怒り、希望とともに、ビルマの現状を描き出す。