現代フランス映画界において欠かすことのできない女優ジャンヌ・パリバール。歌手としても活動する彼女の素顔を、「コロッサル・ユース」などで知られるポルトガルの鬼才ペドロ・コスタが追ったドキュメンタリー。原題の「NE CHANGE RIEN」(何も変えてはならない)は、「ゴダールの映画史」二部作からの引用。
ストーリー
アルノー・デプレシャン監督の「そして僕は恋をする」やジャック・リヴェット監督の「恋ごころ」、「ランジェ公爵夫人」などに主演し、現代のフランス映画界を代表する女優ジャンヌ・バリバール。1968年、パリで哲学者の父エティエンヌと物理学者の母フランソワーズの間に生まれる。フロラン演劇学校、次いで国立演劇学校で学び、1993年、アヴィニョン演劇祭でのモリエール『ドン・ジュアン』での演技が賞賛され、コメディー・フランセーズに加入。1992年の「魂を救え!」での映画初出演を果たすと、オリヴィエ・アサイヤス、ジャン=クロード・ビエット、マチュー・アマルリック、ブノワ・ジャコらの作品に次々と出演。フランスの作家主義的な映画作家のミューズとして欠かせない存在になる。近年はジャック・リヴェットやラウル・ルイスら巨匠の作品にも出演し、国際的な注目を集める。その一方で、2003年には『Paramour』を発表し、歌手デビューを果たした。本作では、歌手としても知られるバリバールの音楽活動の軌跡を、ライブリハーサルやアルバムレコーディング、ロックコンサートや歌のレッスンなどを通じて辿る。フランスのサンマリー・オーミーン村の屋根裏部屋から、東京のカフェまで、彼女の様々な表情を力強く捉える美しいモノクロ映像。挿入される楽曲も『ジョニー・ギター』からオッフェンバックの『ペリコール』まで多彩。5年にわたり撮影され、完成した本作を見たバリバールは、“私のポートレート以上”とコメントしている。
スタッフ
監督、脚本、撮影
ペドロ・コスタ
製作
アベル・リベイロ・チャベス
音楽
ピエール・アルフェリ
音楽
ロドルフ・ビュルジェ
音楽
ジャック・オッフェンバック
編集
パトリシア・サラマーゴ
録音
フィリップ・モレル
録音
オリヴィエ・ブラン
録音