ナレーション、演出、撮影、編集
様々な理由から全日制高校を諦め、定時制高校に通う若者たち。事情を抱えた彼らの入学から卒業までを追ったドキュメンタリー。時代の流れによって縮小傾向にある定時制高校が、行き場を失った若者たちの受け皿となっている実態を捉える。監督は、元高校非常勤講師で定時制高校のテレビドキュメンタリーを制作した太田直子。
ストーリー
舞台は1学年1クラス、全校生徒120人足らずの埼玉県立浦和商業高校定時制のあるクラス。かつて学校で夢をつぶされた若者たちが、再びその夢を語ることができた場所。それはやはり学校だった。夜間定時制高校は、様々な理由で全日制高校に進めない青少年に対し、高校教育を受ける機会を与えるために設置された課程。近年では、急速に進む少子高齢化など、様々な社会環境や産業構造の変化により縮小傾向にある。だがそこは今、働く若者たちの学びの場であり、小、中学校で不登校、高校を中退した若者たちの再出発の場となっていた。派手なメイクで装って教師に暴言を吐く生徒、家庭内暴力が原因で登校できなくなった生徒。ある生徒は明るい笑顔が魅力だったが、実は自傷行為を繰り返していた。家庭や社会の歪みに傷ついたやわらかな心。そんな若者たちが、大家族のような学校の中で悩み、ぶつかり、支えあって過ごした日々と、その先に見えた希望。2002年の入学から卒業までの4年間、そしてその後へ。生徒一人ひとりに寄り添った貴重な映像。人の絆が人を育てる。今を悩み、懸命に生きるすべての人に……。