九代目竹本綱大夫
太夫(路町の段)
近松門左衛門作の人形浄瑠璃『冥途の飛脚』を、京都・太秦撮影所に精緻な舞台セットを作り、当代の名人たちによる演技を記録した文化映画。監督はカナダ人のマーティ・グロス。音響・音楽監修は「燃える秋」の武満徹。撮影は「衝動殺人 息子よ」の岡崎宏三ほか。出演は竹本越路大夫、竹本文字大夫(現 竹本住大夫)、竹本織大夫(現 竹本綱大夫)、鶴澤燕三(五世)、鶴澤清治、野澤錦糸(四世)、吉田玉男、吉田簑助、桐竹勘十郎(二世)ら。完成後日本国内では上映会での上映を除き劇場未公開に終わり、幻の映画となっていたが、2011年新たに日本語字幕を付けたデジタルリマスター版が作成され、東京都写真美術館ホールにて公開された。
大坂淡路町の飛脚問屋・亀屋の跡継ぎ養子の忠兵衛は、惚れ合った越後屋の遊女梅川の身請けのための手付け金として、友人の丹波屋八右衛門の金50両を横領する。その件を養母に問い詰められた忠兵衛だが、八右衛門の友情にすがってその場を切り抜ける。そこに届いた公金三百両を届ける用事を頼まれた忠兵衛だが、梅川のことが気になり越後屋へと寄り道をしてしまう。先に越後屋へとやってきた八右衛門は先の顛末と彼をこの店に近づけぬよう遊女たちに伝える。それを門口で聞いてしまった忠兵衛は怒り、持っていた公金の封を切って50両を八右衛門の顔に投げつける。残りの金も自分が養子になった際の持参金と偽り、その金で梅川を身請けする。忠兵衛は梅川に真実を打ち明け、生まれ故郷の大和国新口村へと二人で遁走する。新口村まで辿り着いた二人だったが、既に村には追っ手が入っていた。二人は忠兵衛の幼なじみの忠三郎の家に身を寄せる。忠兵衛の父・孫右衛門が足をすべらせ泥田へ転げ込んだのを見た梅川は、たまらず外に飛び出して孫右衛門を介抱する。そして親の情を語る孫右衛門に梅川は忠兵衛を会わせようとするのだが…。
太夫(路町の段)
三味線(路町の段)
太夫(封印切の段)
三味線(封印切の段)
太夫(新口村の段)
三味線(新口村の段)
忠兵衛(人形)
梅川(人形)
八右衛門(人形)
妙閑(人形)
監督、製作、編集、字幕
日本側製作
撮影
撮影
録音
音響、音楽監修
演出通訳
音楽編集
字幕