ジーン・ハーロウ
Crystal_Wetherby
「暁の爆撃機」「港に異常なし」のジーン・ハーロウと「椿姫(1937)」「愛怨二重奏」のロバート・テイラーが顔合わせする映画で、ハーロウ嬢の最後の出演作品となったもの。H・M・ハーウッドの喜劇によってヒュー・ミルスと「メリイ・ウイドウ(1934)」のエルネスト・ヴァイダが協力脚色し、「夕陽特急」「空駆ける恋」のW・S・ヴァン・ダイクが監督に当たり、「椿姫(1937)」「ロミオとジュリエット」のウィリアム・ダニエルスが撮影した。助演は「嵐の三色旗」のレジナルド・オーウェン、「小公子」のユーナー・オコナー、「ダアク・エンゼル(1935)」のヘンリエッタ・クロスマン、マーラ・シェルトン、E・E・クライヴィ等。
頑固一徹な英国人ダブニィと長男クロードはシャツ商を営んでいたが、店の経営が困難になって来たので、クロードは金のある米国の未亡人と結婚話を進めていた。そこへ弟のレイモンドが牢から出て来た。彼は景気の良かった頃月賦で買った自動車を直ぐ売り飛ばしたところ、後の代金が払えなくなって投獄したのである。クロードはこんな弟がいることを結婚を約束したクライスタルに知られたくなかったので、折角帰って来たレイモンドを家から追い出してしまった。その夜レイモンドはあるホテルでクライスタルに会って、彼女が兄の婚約者であることを知らずに交際を求め手厳しく撥ねつけられた。が彼はクライスタルがオペラ劇場へ行ったのを見ると切符を手に入れて彼女のボックスへ侵入したのでクライスタルは奮然席を去った。彼は更に自宅まで後をつけて行った。するとそこへ執達吏が来て彼女の家具を差し押さえているところだった。呑気な執達吏はレイモンドの言葉を信じて彼に見張りを頼んで帰ってしまう。一夜を彼女の家で見張り通したレイモンドは、朝になってクライスタルが兄の婚約者であることを知ると彼女の執事になろうと申し出てついに承諾を得る。ダブニイ一家を始め知人を招待して晩餐会がクライスタルの家で開かれた時、クロードは意外なところで弟に会って驚いたが、金を目当てでの結婚と暴露されるのを怖れて黙っていた。次第にレイモンドに好意を持って来たクライスタルは、クロードが彼をクビにせよと言った時にそれに反対した。クロードは翌日レイモンドに逢って五百ポンドの金を与えて買収しようとした。兄とクライスタルの結婚式当日レイモンドは執達吏を連れて乗り込み、彼女が無一文であることを兄に告げた。財産目当てのクロードは怒って彼女との結婚を解消した。レイモンドは兄に貰った金で彼女の借財を支払い、二人は堅く抱き合った。
Crystal_Wetherby
Raymond_Dabney
Claude_Dabney
Clara
Mrs._Dabney
Mr._Dabney
Mrs._Burns
Catherine_Burns
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