エリナー・ボードマン
Mary
「男子凱旋」「腕自慢」等と同じくキング・ヴィダー氏監督作品で原作はラシェル・クロザース女史作の戯曲で1923年にニューヨークで上演されたもの。撮影台本はケイリー・ウィルソン氏が執筆した。主役は「腕自慢」「新婚の危機」「惑溺の十字路」等出演のエリナー・ボードマン嬢で、対手役は「動員一下」「荒み行く女性」等出演のベン・ライオン氏と「囁きの小径」「アンニー可愛や」等出演のウィリアム・ヘインズ氏が勤め、ポーリン・ギャロン嬢、ウィリアム・コリアー・ジュニア氏、ロバート・エイニュー氏、ジェームズ・モリソン氏、クレイトン・ヘール氏、ジョニー・ウォーカー氏、ナイルス・ウェルチ氏等が助演している。
メリーの祖母も母も夫なしに女の生活は有り得ないと言う当時のこととて青春の悦楽を殆ど経験せずに結婚してしまったが、三代目のメリーは男というもの結婚というものをそんな風に考えることを欲しないモダーン・ガールだった。彼女はただ表面的に知り合った男と結婚して永遠にその男に服従しなければならぬ奴隷的な生活をどうしても肯定出来なかった。ある夜深更までジャズ・ダンスをして最後まで残ったメリーは最も熱心な求婚者たるリンとハルとに本当に知り合うことのできる機会を与えてくれれば貴方々の内の1人と結婚しようと言った。彼女は純真な試験的新婚旅行をすることが出来ればといった。そこで二青年は賛成し、恋仲のティッシュとマックスをも加わえて5人連れで森のマックスのキャンプに早速赴いた。キャンプでは実際的な仕事をするのはリンだけで他の2人はカクテルを作るのに忙しかった。夜になると女2人と男3人と別々の天幕に寝た。一方彼らの両親たちは息子や娘の失踪に狂気の如くなっていた。マックスは寝るには美し過ぎる夜だといって恋人のティッシュを誘って月光の湖に泳いだ。ハルも水に入ったが寒いので泳ぐのをやめ酒を飲んで身を暖めようとした。少し飲み過ぎたハルは妙な気になりメリーの天幕に入り込んで口説き始めた。彼女は驚いて飛出し逃げ出して途中で気絶してしまった。皆で介抱したが蘇生せぬので自動車に乗せて家へ帰ると突如起き上った。彼女はある危険を感じたので理想的な新婚旅行の真似事をやめたのだった。マックスとティッシュは意気投合して結婚した。メリーの父と母とは娘の失踪が原因で喧嘩を始め、父は母を激しく非難した。母は夫の絶対権力の下に服従することを遂に拒み家出しようとしたのでメリーの父も驚き且つ悟る所あって妻を引留めた。それはメリーに結婚生活の真諦を悟らしめた。彼女はリンの許に電話をかけて直ぐに来てくれと言った。
Mary
Clinton
William
Rokeit
Richard
Lynn
Hal
Max
Tish
Mother
Frther
Granny
Bobby
Anne
Flapper
Flapper
Docter
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