東京都の教育現場で日の丸や君が代を強制する右傾化や、言論の統制、日本社会の戦前への回帰が進むなか、自分が自分であり続けるために闘う3人の教師の行き様を記録したドキュメンタリー。“教育現場での自由と民主主義”を守るため、弾圧と闘いながら“私”を貫く教師たちの姿を追う。監督は、「沈黙を破る」の土井敏邦。
ストーリー
東京都の教育現場で急激に進んでいる“右傾化”。卒業式・入学式で日の丸や君が代が強制され、教師たちの言論は厳しく統制されている。しかし、そんななか、“教育現場での自由と民主主義”を守るため、弾圧と闘いながら、“私”を貫く3人の教師たちの姿をカメラがおさめていく。中学校の家庭科の教員・根津公子は、卒業式・入学式の国歌斉唱で不起立を続け、3年にわたり6カ月の停職処分を受けてきた。教員を続けるために起立するよう助言されるが、上からの命令に黙って従うことは恐ろしい明日をつくることになると、子供たちに伝えていく責任があると考えている。小学校で音楽を教える佐藤美和子はキリスト者として、天皇制につながる『君が代』の伴奏を拒否し、何度も理不尽な移動を強いられてきた。彼女は、カナリアが炭鉱の危険を知らせるように、強制がもたらす苦しみ、今の学校の危険、この国が進む方向を知らせる役割を担うことが、自分の幸せであり役目だと語る。土肥信雄・元三鷹高校校長は、都教育委員会による学校現場への言論統制に、現職の校長として初めて異議を唱えた。彼は、教育がどんどん右傾化し、言論の自由がなくなったとき、戦前の日本に戻ってしまうのではないかと警戒している。