ロリー・カルホーン
Clint
ジェームズ・キャグニーの原案を、スティーヴ・フィッシャーが脚色、TV出身のクリスチャン・ナイビーが監督した西部劇。撮影は「底抜け行ったり来たり」のハスケル・ボッグス、音楽はポール・ダンラップが担当した。出演は「レースに賭ける男」のロリー・カルホーン、「死の谷」のヴァージニア・メイヨ、「荒野の駅馬車」のロン・チャニー、ジョン・エイガー、リチャード・アレンほか。製作はA・Cライルズ。
1880年代の西部の町クリント(ロリー・カルホーン)は決闘のため故郷に帰ってきた。彼は数年前、妻セイラ(ヴァージニア・メイヨ)と密通した男を殺して立ち去ったのだが、セイラは今では酒場を経営していた。彼等の間にはタイジーという息子がいて、彼は母が捨てられたと信じて父を憎み、悪事の限りを働らいていた。ダイジーの一党は相変らず暴力をふるっていたが、サリーという娘が乱暴されるところを彼は助けた。また、酒場で暴れているタイジーたちにセイラが退去を命じると、無法者の1人ビフがセイラをなぐったので、タイジーとビフの間に激しい格闘が続いた。女をなぐることは彼らの掟に反するのだ。クリントの決闘の相手、ドースン一味が町にのりこむという情報をきいたタイジーは、父への復讐として、父が殺されるのを見物しようとした。セイラはタイジーの誤解をとこうとしたが彼は聞きいれない。決闘の日、ドースン一味にかこまれたクリントを見てセイラは、彼を救おうとして銃を持って飛び出したが、逆に撃ち殺された。これを見たタイジーはクリントを救うため飛びだした。西部の町にすさまじい死闘がくりひろげられたが最後に残ったのは、クリントとタイジーだった。町に平和が訪れ、クリントにはシェリフのバッジがおくられ、タイジーはサリーと結ばれることになった。
[c]キネマ旬報社