ジェームズ・ガーナー
Quincy
奴隷廃止論が盛んになってきた南北戦争直前。白と黒とでコンビを組んで荒らし回った痛快なペテン師の物語。製作はハリー・ケラー、監督は「怒りを胸にふり返れ」のポール・ボガート、リチャード・アラン・シモンズの原作をピエール・マートンとジョン・L・ゴダードが脚色、撮影はフレッド・コーネカンプ、音楽はデイヴィッド・シャイアが各々担当。出演は「地平線から来た男」のジェームズ・ガーナー、「真夜中の青春」のルイス・ゴセット・ジュニア、「マンハッタン無宿」のスーザン・クラーク、「課外教授」のブレンダ・サイクス、アンドリュー・ダガンなど。
クインシー・ドルー(ジェームズ・ガーナー)と黒人のジェーソン・オルーク(ルイス・ゴセット・ジュニア)は、奴隷制度を逆手にとって、各地を荒らし回る名コンビのペテン師である。ジェーソンが、いかにもクインシーに飼われる奴隷に見せかけ、まずクインシーがジェーソンをセリ市にかけ最高値で売りとばして1人で町を出て、買いとられたジェーソンは夜になると得意の脱出術で買い主の家を脱け出し、クインシーに追いつくという寸法である。こんな旅を続ける彼らは、ある日フェア・シェークの町でプランケット(エドワード・アズナー)と出会った。彼は情け知らずの奴隷商人である。早速ジェーソンに目をつけたプランケットをクインシーは追い払うのに苦労した。フェア・シェークは活気に満ち、奴隷制度の是非で対決する2派の争いの巻き添えをくって殴り倒されたクインシーは、危ないところをジンジャー(スーザン・クラーク)という美女に救われた。ところがこのジンジャーがしたたかもの、彼のポケットから時計と金貨を盗み出した。その夜クインシーがホテルで悠然たる頃、ジェーソンは納屋で鎖につながれている美しい黒人娘ナオミ(ブレンダ・サイクス)に一目惚れ、クインシーに頼んで、ナオミを彼に買いとってもらおうと思い詰めていた。一方、ジンジャーは盗んだ獲物の貧弱さにガッカリしてもう一度クインシーの部屋に忍び込んだが、とんだヤブヘビで、逆にクインシーに心を奪われてしまった。翌日、クインシーはナオミをセリ落とし、ジェーソンも法外な高値がついたというのに突然乗り込んできた奴隷解放側の一団にぶち壊されてしまった。奴隷廃止の動きが高まってきてこの稼業から足を洗う時期にきたと思った2人が、今までの稼ぎを山分けにしようとサドルバッグのフタを開けると、数千ドルは跡形なく消えている。ジンジャーであった。2人は再びコンビの旅に出た。ミズーリ州でジェーソンをセリにかけると、この買い手があのプランケット、押し問答から殴り合いとなった時、運悪く、かつて2人がだました男と保安補にばったり、たちまちジェーソンは奴隷収容所に、クインシーは留置場行きである。ところがこのクインシーを訪ねてくれたのがジンジャーである。彼女のおかげで牢を抜け出したクインシーは、ジンジャーとともにジェーソンを捜し求めた。ジェーソンはナオミと一緒にキャロウェイの牧場で働いていた。早速脱出にとりかかったが、またしてもあのプランケットが現れ、2人は杭にしばりつけられた。しかしジェーソンの訓練した原住民たちによって救助され、大脱走に成功した。ジェーソンは、新しい仕事を持ちかけたクインシーに、一緒に逃げてきた原住民たちに新生活の道を見つけてやらねばならないと、これを断り、別れていった。クインシーは新しいコンビのジンジャーにジェーソンの思い出話を聞かせては懐かしんでいた。ところがふと気がついてサドルバッグをのぞくとアッと叫んだ。金はすっかりジェーソンに抜きとられていたのだ。
Quincy
Jason
Ginger
Naomi
Plunkett
Calloway
監督
脚本
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
字幕
[c]キネマ旬報社