ディニー・イップ
桃
長年仕えてきたメイドと雇い主の息子の間で結ばれる、親子のような絆を描く人間ドラマ。監督は、「女人、四十。」のアン・ホイ。出演は、本作で第68回ヴェネチア国際映画祭主演女優賞を受賞したディニー・イップ、「インファナル・アフェア」のアンディ・ラウ。第31回香港電影金像奨最優秀作品賞を含む主要5部門受賞。
桃(タオ)さん(ディニー・イップ)は少女のころから60年間、香港の裕福な家庭にメイドとして仕えてきた。大家族のほとんどは海外に移住し、今は香港で映画プロデューサーとして活躍する長男ロジャー(アンディ・ラウ)の世話をしている。桃さんは掃除、洗濯、料理を完璧にこなし、ロジャーはそれを当たり前のように享受していた。ある日、桃さんが脳梗塞で倒れる。桃さんは迷惑をかけないよう、メイドを辞めて老人ホームに入るとロジャーに告げる。ロジャーは桃さんのために老人ホームを探し、かつての仕事仲間で、老人ホームを手広く経営するバッタ(アンソニー・ウォン)の施設に決める。施設の料金体系は複雑で、ロジャーは老人介護の現実を少しずつ学んでいく。主任のチョイ(チン・ハイルー)に迎えられて、桃さんは老人ホームに入居する。施設には、さまざまな事情を抱えた入居者たちが暮らしていた。カーテン1枚で辛うじてプライバシーを守られた部屋で、桃さんはこれからの生活を案じる。そんな中、時間を見つけては訪ねてくるロジャーの存在が、桃さんの支えとなる。何事も桃さんのペースに合わせるロジャーの姿に、2人を母子と誤解する者もいた。やがて桃さんはホームでの生活に慣れ、その穏やかで凛とした性格から、従業員や入居者から頼りにされるようになっていた。しかし、間近で入居者の死を目の当たりにし、自分にも最期のときが近づいていることを感じていた。そんな思いを、ロジャーの存在が払拭してくれる。2人で過ごす日々は、お互いにとってかけがえのないものになっていく……。
桃
ロジャー
チョイ主任
キン
映画監督
バッタ
映画監督
ロジャーの母
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