アントニエッタ・カーボネティ
列車の婦人
1975年何者かに撲殺され、そのスキャンダラスな生涯を閉じたイタリア映画界の巨匠ピエル・パゾリーニ。その人生の一幕をドキュメンタリー・タッチで描き出したフィクション・ドラマ。その題材により完成後2年以上経ってようやくイタリア本国で上映されたほか各国で物議をかもした。監督・脚本は「シチリアの娼婦たち」のアウレリオ・グリマルディ。
【エピソード1】有名なイタリアの詩人であり映画監督である男がシチリア島のシラクーザに到着する。そこでサッカーに興じる少年たちに近付いていき、言葉をかわす。その夜、海岸でたき火を囲んだ少年たちは、ひとり、またひとり、詩人の車に近付いてゆく。そして翌朝、詩人は旅立つのだった。【エピソード2】母親と暮らす詩人の家に、ハンサムな青年ヴァレリオ・ヴァルゾが訪ねてきた。詩人についての論文を書きたいということだが、ヴァルゾの本当の目的はは詩人の小説を出版することだった。それを見抜いた詩人は彼を侮辱し、便宜をはかる代償として性的合意を取り付けるのだった…。【エピソード3】ローマの街、暗い夜道をあてどなく歩きまわった詩人は、茶色い巻毛の青年マルコと出会う。食事に誘い映画出演をもちかけた後、暗がりで詩人は彼に対し行為におよんだ。激高した青年は金を要求する。そして海岸。車から逃げ出した半裸の青年を追う詩人。もみ合いの末、青年は詩人を撲殺する…。【エンディング】「本件品に登場する事件・人物は、監督の想像力が生み出したものである」。
列車の婦人
詩人
召使い
ヴァレリオ
ヴァレリオの母
タニエレ
ロッコ
マルコ
監督、脚本、原案
製作
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
衣装
音響
助監督
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