世界の遺伝子組み換え作物市場の90%をシェアするグローバル企業の利益追求型ビジネスの弊害を炙りだし、命を支える根幹となる食について考察するドキュメンタリー。本作はヨーロッパ各国のGMO(遺伝子組み換え作物)政策にも大きな影響をおよぼし、2008年レイチェル・カーソン賞およびドイツ環境メディア賞ほか数々の賞を受賞した。監督はアルジェリア戦争でのフランス軍による拷問や虐殺を扱った『Escadrons de la mort, l'ecole francaise(死の部隊:フランスの教え)』(未)でFIGRA(社会ニュースレポート&ドキュメンタリー国際映画祭)優秀研究賞等を受賞したマリー=モニク・ロバン。『緑の革命とその暴力』などの著書で知られる哲学者・環境活動家のヴァンダナ・シヴァが出演。
ストーリー
アメリカに本社のある多国籍アグロバイオ企業・モンサント社。世界の遺伝子組み換え作物の90%にもおよぶシェアを誇るグローバル企業である。フランスのジャーナリスト、マリー=モニク・ロバンは、世界各国で取材をする中、各方面からモンサント社の黒い噂を耳にする。彼女はその真相を探るべく、アメリカ、インド、パラグアイ、イギリスなどに赴き、3年間にわたり証言を集めていった。遺伝子組み換え作物や過去に発売された枯葉剤、農薬、PCB、牛成長ホルモンなど、1世紀にわたるモンサント社の歴史を貴重な証言や機密文書によって検証していくうちに、自然界の遺伝的多様性や食の安全、環境への影響、農業に携わる人々の暮らしを無視し利益ばかりを追求するモンサント社のビジネススタイルが浮き彫りになっていく。1ドルたりとも儲けを失ってはならないというモンサント社の姿勢は、急速に進む経済のグローバル化の中、各国にどのような影響を与えているのだろうか。現在の食の経済構造を考察していく。
スタッフ
監督、脚本
マリー=モニク・ロバン
撮影
エティエンヌ・ド・グラモンカートン
撮影
バーナード・カゼデパトス
撮影
アルノー・マンサー
撮影
ギヨーム・マルタン
撮影
フレデリック・バサール
音楽