キム・テウ
ク・ギョンナム
“過去の恋”をテーマに、偶然出会う女性たちに翻弄される映画監督の姿を描く「アバンチュールはパリで」のホン・サンス監督作。出演は「キッチン 3人のレシピ」のキム・テウ、「浜辺の女」のコ・ヒョンジョン、「映画館の恋」のオム・ジウォン。「ホン・サンス/恋愛についての4つの考察」で上映される1本。
真夏の気だるい空気の中、映画祭に審査員として赴いた映画監督ギョンナム(キム・テウ)は、浮かれた雰囲気に流され、映画祭コーディネーターのヒョニ(オム・ジウォン)のことを気にかけながら痛飲する日々を過ごしている。そんな中、旧友サンヨンが現れ、彼の家でその妻ユ・シン(チョン・ユミ)と飲み明かし、ギョンナムは二日酔いのままホテルで目覚める。そこに届いたサンヨンからのメッセージには「二度と自分の前に現れないでくれ」と記されていた。理由もわからず戸惑うギョンナムは、さらにヒョニから、酔いつぶれた自分を部屋に置き去りにしたことを責められる。訳も分からず映画祭から逃げ出した数日後、済州島に向かったギョンナムは、先輩の画家チョンス(ユ・ジュンサン)とその妻スン(コ・ヒョンジョン)に出会い、またもや自らの過去に遭遇する。スンはギョンナムのかつての恋人だった。花火のように燃え上がる過去の恋。別れ際に携帯電話の番号のメモをスンから渡され、チョンスの留守の間、ふたりは情事にふける。それを近所の男が目撃し、男はすぐにチョンスに連絡、ギョンナムは逃げ出す。だが、砂浜に辿り着いた彼を追いかけるようにスンがやってきた。スンはギョンナムに自分たちの恋愛について諭すように語り出す……。
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