監督、プロデューサー
東海テレビドキュメンタリー劇場第4弾。長良川河口堰をめぐり、政治に翻弄される漁師たちを追ったドキュメンタリー。プロデューサーを務めた「死刑弁護人」で文化庁芸術祭優秀賞を受賞した阿武野勝彦と、東海テレビの報道番組でディレクターを務めた片本武志による共同監督作品。ナレーションは、「阪急電車」の宮本信子。
ストーリー
清流・長良川の流れを遮る全長661mの『長良川河口堰』の建設をめぐり、推進派と反対派は激しく対決した。しかし、一度スタートした国策は止まることなく、1500億円を投入した堰の運用から16年が過ぎた。長良川でハマグリとシジミ漁を営む三重県桑名市の赤須賀漁協は最後まで建設に反対したが、一漁協のエゴで中部圏の発展を阻害する、狙いは保証金のつり上げだと批判された。それから赤須賀では、秋田清音組合長を中心に、乱獲を防ぐルールを作ったり、独自にハマグリの養殖に取り組んだりして、変わり果てた河口で生きる道を模索してきた。並大抵でない努力の結果、絶滅寸前にまで追い込まれたハマグリの漁獲も徐々に回復し、若い漁師たちも増え、浜に活気が戻り始めた。しかし、2011年、建設を推進した愛知県が、環境意識の高まりと水余りを背景に、河口堰の費用対効果について言及し始め、開門調査をすすめる堰の不要論を唱え始める。農地が必要になれば干潟を埋め立て、水が必要になれば川を堰き止める。そして今度は堰が不要だと言い出す。こうしたゴリ押しは、この土地で生きる人々とどう折り合いをつけてきたのか。公益とは何なのか。この日本が抱える構造的な難問を、鮮烈に描き出す。
スタッフ
監督
片本武志
ナレーション
宮本信子
撮影
田中聖介
音楽
本多俊之
編集
奥田繁
効果
柴田勇也
音楽プロデューサー
岡田こずえ
水中撮影
岩井彰彦
水中撮影
神辺康弘
水中撮影
森恒次郎
音声