戦後、“日本画滅亡論”まで登場した日本画壇において、新しい時代の新しい日本画の創造を目指して活躍した中村正義の生涯を追うドキュメンタリー。神奈川県に設立された「中村正義の美術館」を守り続けてきた正義の娘・倫子さんが、自分の未だ知らない本当の父の姿を探して旅をしながら、人間・中村正義とその生きた時代を描き出す。今村昌平とともに今村プロダクションを設立し、「楢山節考」の監督補や「女衒」のプロデューサーを務めた武重邦夫と、数々のTVドキュメンタリー等を手がけてきた近藤正典が共同監督。日本画壇の重鎮・中村岳陵の画塾に入門し、本格的に画家としての道を歩み始めた正義は1946年、22歳で日展に初入選。たちまち頭角をあらわし、早世の天才日本画家・速水御舟の再来とも言われ将来を嘱望された。26歳で特選を受賞、36歳という若さで日展審査員に推挙され、若くして日展の頂点に登り詰めながらも、古い体質の画壇、権威主義的体質に異を唱え、日展を脱退。それ以降は画風を一転させ、絵具に蛍光塗料を混ぜて描いた《男と女》や《舞妓》のシリーズ、現代社会に生きる人間の《顔》に現れた心の闇を描いた作品群、ポップアートかと見紛う肖像画など、日本画の既成概念を遥かに超越した多様多彩な作品を次々と発表していく。謎の浮世絵師・写楽の実像を画家の立場から探求することにも精力的に取り組んだ。だがそんな正義の生涯は病との闘いでもあった。二十代で結核を患い、後年癌を発症。52歳という若さで逝去。旧勢力からの圧力や妨害を受けながらも、自らの信念を曲げず、死と向き合いながら真の創造を求め続けて生涯を終えた……。
ストーリー
※ドキュメンタリーの為、ストーリーは割愛します。
スタッフ
監督、企画、プロデューサー
武重邦夫
監督、プロデューサー
近藤正典
ナレーション
岩崎聡子
撮影監督
松根広隆
音楽
丸山朋文
編集
金子数生
照明
谷本幸治
録音
若林大介
助監督
伊東尚輝
助監督
二宮英之
企画
野々川千恵子
ライン・プロデューサー
杉山美枝
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 製作年
- 2012年
- 製作国
- 日本
- 配給
- 太秦
- 初公開日
- 2013年1月5日
- 上映時間
- 102分
- 製作会社
- 「父をめぐる旅」製作委員会(シネマネストJAPAN=キャバレット=シネマユース=中村正義の美術館)
- ジャンル
- ドキュメンタリー
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