ギヨーム・カネ
ヤン
レストラン開業を目指す若いカップルの夢と挫折、人生の真の意味を描くヒューマンドラマ。監督は「チャーリーとパパの飛行機」のセドリック・カーン。出演は「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」のギョーム・カネ、「虚空の鎮魂歌」のレイラ・ベクティ、本作が映画デビューとなるスリマン・ケタビ、「ベルサイユの子」のブリジット・シィ。
シェフを目指す35歳のヤン(ギョーム・カネ)は、採用面接に行ったレストランでウェイトレスのナディア(レイラ・ベクティ)と出会い、初めてのデート後、一夜を共にする。翌朝、彼女は9歳の息子スリマン(スリマン・ケタビ)と暮らすシングルマザーだとヤンに打ち明ける。ヤンはスリマンと直ぐに打ち解け、友達のように仲良くなる。ある日三人で出かけた湖畔で、ヤンは廃屋を見つけ、自分たちの新たな人生のためにこの場所でレストランを開業したいとひらめき、その場で不動産会社に電話、物件を押さえにかかる。だが、二人の手持ち資金は僅かだった。ヤンは頭金を捻出するため、数社の消費者金融に手を出し、瞬く間に多重債務者となってしまう。さらに業者に必要な設備を省かせたために、消防署から営業認可がおりず、レストランも開業できないでいた。相談所のカウンセラー(ブリジット・シィ)は、借金地獄に陥る前に即刻土地を手放すようヤンに忠告、しかし彼は開業の夢を諦めきれなかった。そんな中、ナディアはこの状況を抜け出すために好条件で働ける職場を紹介されるが、その職場はカナダであった。単身で海外へ行くことを決意したナディアは、1ヶ月で帰国する約束でスリマンをヤンに託し旅立つ。ヤンとスリマンは、怪しげな融資屋が斡旋した安宿で貧しい共同生活を送ることになったが、二人の間にはいつしか父と子の絆が芽生え始めていた。だがつてを頼って奔走しても一向に解決の糸口が見えない借金問題に加え、スリマンに血縁の保護者がいない事実を小学校の福祉委員に知られてしまう。二人の関係が引き裂かれかねない状況の中、遂にはナディアと連絡が取れなくなってしまった。ここまで何とか転売を拒んできたレストランだったが、融資屋のあくどいやり口のために二束三文で売るしかなくなってしまう。融資返済まで給料差し押さえを宣告され、追い詰められたヤンは、融資屋を襲い、金を奪いスリマンを連れてカナダへと旅立つ。とにかく消息を絶ったナディアを探そう。希望を胸に抱きながら雪に覆われた厳寒の地に降り立つヤンとスリマンであったが、ナディアの消息は一向に突き止めることが出来なかった……。
監督、脚本
脚本
製作
撮影監督
音楽
編集
音響
字幕
[c]Jean-Claude Moirea
[c]キネマ旬報社