リュドミラ・モナスティルスカ
アイーダ
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)で上演されるオペラを、舞台裏の模様を含め映画館で上映するシリーズ。2012年12月15日に上演される、対立する古代エジプトの将軍とエチオピアの王女との悲恋を描いたMETの看板演目を取り上げる。2011年に英国ロイヤル・オペラで同役を演じたリュドミラ・モナスティルスカ、MET『ドン・カルロ』のロベルト・アラーニャ、『ボリス・ゴドゥノフ』以降METに欠かせないメゾソプラノのオルガ・ボロディナ、『トスカ』のジョージ・ギャグニッザらが出演。指揮は2011年からMET首席指揮者を務めるファビオ・ルイージ。1988年に同作の新制作を手がけ、その映像に1990年エミー賞をもたらしたソニヤ・フリゼルが演出を担当。
古代エジプト時代。エチオピアはエジプトとの戦いに敗れ、アイーダ(リュドミラ・モナスティルスカ)は王女という身の上を隠したままエジプトの王女アムネリス(オルガ・ボロディナ)付きの奴隷となっている。奴隷として過ごすうちに、アイーダは秘かにエジプトの将軍ラダメス(ロベルト・アラーニャ)と恋に落ちていた。ラダメスに思いを寄せるアムネリスは二人の仲を疑い、嫉妬の炎を燃やす。エチオピアは再度エジプトに戦いを挑むものの敗北。凱旋するエジプト軍の中に、捕虜として捕えられたアイーダの父にしてエチオピアの王であるアモナズロ(ジョージ・ギャグニッザ)の姿があった。アモナズロはアイーダとラダメスの関係を利用してラダメスに国を裏切らせようとするが失敗。機密情報を漏らしたとしてラダメスは神殿の地下牢に幽閉され、牢に忍び込んでいたアイーダとともに死を迎える。