マルギット・カルステンセン
マルタ
嗜虐的な男と結婚した図書館員の恐怖を描くサスペンス・メロドラマ。監督は「ベロニカ・フォスのあこがれ」のライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。撮影は「ディパーテッド」のミハエル・バルハウス。出演は「テロ2000年 集中治療室」のマルギット・カルステンセン、「未完成交響楽」のカールハインツ・ベーム。
図書館に勤めるマルタ(マルギット・カルステンセン)は父親とローマを旅行していて、父親を心臓発作で亡くす。その混乱の最中に財布を盗まれたことに気づいたマルタは、ドイツ大使館に行く。大使館を出たマルタは、ある男性を見かける。帰国後、マルタはヘルムート(カールハインツ・ベーム)に紹介される。彼は、ローマで見かけた男性だった。ヘルムートはマルタを言葉で侮辱したり、嫌がることを強要するが、マルタは従順に受け入れていく。そして2人は結婚する。ハネムーンに出かけたイタリアで、ヘルムートの要求はさらにエスカレートしていき、精神的、肉体的にマーサを痛めつけるようになっていく。マルタは友人マリアンヌ(バルバラ・ヴァレンティン)に相談するが、ヘルムートの振る舞いについて説明することができなかった。ある日ヘルムートの殺意を感じたマルタは、図書館の同僚カイザー(ペーター・カテル)に助けを求める。2人はカイザーの運転する車で逃げるが、動転したマルタがハンドルをつかみ、事故を起こしてしまう。病院で目を覚ましたマルタは、カイザーが事故で死に、自分も下半身麻痺になったことを知る。マルタは心配ないと告げられるが、ヘルムートは車椅子で彼女を病院から連れ出すのだった……。
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