2009年にイタリア全土を揺るがしたある女性の尊厳死事件をベースに「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」のマルコ・ベロッキオ監督が紡ぎ出すヒューマンドラマ。妻を看取った政治家とそんな父に不信感を持つ娘、昏睡する娘の目覚めを願う元女優など3つの物語が展開される。出演は「ゴモラ」のトニ・セルヴィッロ、「愛、アムール」のイザベル・ユペール、「夜よ、こんにちは」のマヤ・サンサ、「やがて来たる者へ」のアルバ・ロルヴァケル。
ストーリー
2009年、イタリア全土を揺るがすある女性の尊厳死事件が起こる。17年前、21歳で交通事故に遭い、植物状態となってしまったエルアーナ・エングラーロの両親は延命措置の停止を求め、長い間裁判闘争を行なってきた。2008年、最高裁判所がようやくその訴えを認めるが、彼女の延命措置の停止を行う病院はなかなか見つからず、2009年1月、イタリア北東部の町ウディネの病院が受け入れを表明、2月にエルアーナはミラノからウディネへ搬送される。だがカトリック信者や尊厳死反対の保守層からの支持を集めるベルルスコーニ首相は、エルアーナの延命措置を続行させるべく、法案の強行採決を画策していた……。〈第一の物語〉議員のウリアーノ・ベッファルディ(トニ・セルヴィッロ)はエルアーナの延命措置を続行させる暫定法案に賛成票を投じるかで頭を悩ませていた。実は、彼自身が逡巡の末、妻の延命装置を停止させた過去があったのだ。母を死なせた父に、娘マリア(アルバ・ロルヴァケル)はずっと不信感を抱いていた。マリアはエルアーナの延命措置が続行されるよう、ウディネでのデモに参加する。一方、ベッファルディは自分の信念を曲げて賛成票を投じるくらいなら、議員を辞して娘と向き合おうと考えていた……。〈第二の物語〉医師パッリド(ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ)の同僚たちは仕事もそっちのけで、エルアーナの死の時期を賭けごとにしていた。患者の家族たちは医者への不信感むき出しで、治療への不満をぶつけてくる。パッリドが廊下を歩いていると、薬を盗もうとしたロッサ(マヤ・サンサ)が看護師たちに抱えられてきた。その時、ロッサはパッリドたちの目の前で手首を切る。幸い一命を取り留めるが、眠った彼女は一向に目を覚ます気配がない。パッリドはそんな彼女の傍らに寄り添うが……。〈第三の物語〉伝説的な女優(イザベル・ユペール)は輝かしいキャリアを捨て、植物状態の娘ローザの看病に専念していた。娘のために毎日のように祈りを捧げ、エルアーナと娘を重ねて報道を目にしては涙を流していた。俳優志望の息子フェデリコは、母を盲信的に愛し、女優として尊敬のまなざしを注いでいるが、その愛が彼に返ってくることはなく愛に飢えていた。彼女の夫も妻のかたくなな態度に心を傷め、夫婦仲は冷め切っている。そんな中、フェデリコは母に振り向いてもらいたいがために、ある行動に出るのだった……。
キャスト
トニー・セルヴィッロ
アルバ・ロルヴァケル
ミケーレ・リオンディーノ
マヤ・サンサ
ピエル・ジョルジョ・ベロッキオ
ファブリツィオ・ファルコ
ジージョ・モッラ
ロベルト・ヘルリッカ
アントニオ・デ・マッテオ
クリスティナ・オダッソ
ファブリス・スコット
エンリコ・キャバレロ
カルメロ・ガラチ
ヴィットーリア・ピアンカステッリ
アレッサンドロ・フェデリコ
スタッフ
監督、脚本、原案
マルコ・ベロッキオ
脚本
ヴェロニカ・レイモ
脚本
ステファーノ・ルッリ
エグゼクティブプロデューサー
フランコ・ベヴィオーネ
撮影
ダニエーレ・チプリ
音楽
カルロ・クリヴェッリ
プロダクション・デザイン
マルコ・デンティッチ
編集
フランチェスカ・カルヴェッリ
衣裳デザイン
セルジョ・バッロ
プロデューサー
マルコ・キメンツ
プロデューサー
ジョヴァンニ・スタビリーニ
プロデューサー
リカルド・トッツィー
キャスティング
ステファニア・デ・サンティス
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- BELLA ADDORMENTATA
- 製作年
- 2012年
- 製作国
- イタリア=フランス
- 配給
- エスパース・サロウ
- 初公開日
- 2013年10月19日
- 上映時間
- 115分
[c]2012 Cattleya Srl - Babe Films SAS
[c]キネマ旬報社