TBS『落語研究会』に残された昭和の名人による高座の映像を、“シネマ歌舞伎”の松竹が映画館で上映する“シネマ落語”第5弾。今回は、アクションが見物の八代目桂文樂による『愛宕山』、人間国宝となった五代目柳家小さんの『粗忽長屋』と『笠碁』、三味線や鳴り物が入る古今亭志ん朝の『反魂香』の4本を収録。
ストーリー
1968年からTBS主催の落語会として、国立劇場で月1回開催されている『落語研究会』に残された貴重な資料から、明治生まれの八代目桂文樂、大正っ子の五代目柳家小さん、昭和のスター・古今亭志ん朝の高座の映像を上映する。寸分の隙もない完成された話芸を誇った八代目桂文樂による『愛宕山』は、春山へ野駆けに出かけた旦那と幇間のやりとりを描く。終盤のアクションは、文樂ならではの名演。噺家初の人間国宝となった五代目柳家小さんの一席目『粗忽長屋』は、明治の名人・三代目小さん以来三代にわたって柳家のお家芸である。古今亭志ん朝による吉原の花魁・高尾太夫をめぐる滑稽怪談『反魂香』は噺に三味線や鳴物が入り、あまり演じることがなかった貴重な映像である。小さんの二席目は、囲碁をテーマにした人情噺『笠碁』。特に晩年好んで演じて高い評価を得ており、人間描写を淡々と綴る風格が味わい深い。
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