監督
「そして、私たちは愛に帰る」「ソウル・キッチン」のファティ・アキン監督によるドキュメンタリー。彼のルーツであるトルコの小さな村にゴミ処理場が建設され、それに反対する村の人々と政府役人の対決を時にユーモラスを交えて描く。5年に亘り撮影された映像をもとに、美しい村が汚されていく過程と、住民たちの悩みや苦しみを浮き彫りにする。
ストーリー
2005年、在ドイツ・トルコ移民であるファティ・アキンは祖父母の故郷であるトルコ北東部の黒海沿岸に位置するトラブゾン地域の村チャンブルヌを初めて訪れる。「ここは天国だ」とそのあまりにも美しい風景に感動を覚えるが、同時にそこにはゴミ処理場の建設が予定されていると知り強い衝撃を受ける。そんな中、この愛すべき自然を記録に残したいと「そして、私たちは愛に帰る」のラストシーンをチャンブルヌで撮影。さらにこの事実を記録しなければという使命感に駆られ、地元の写真家の協力も得て撮影を敢行する。普通のビニールシートで土への汚染を防ごうとしたり、素人が見ても溢れてしまうとわかるほど小さな汚水処理槽を作ったり、そのあまりにも杜撰過ぎる政府の計画に呆れる住民たち。彼らは、時折視察にやって来る役人たちに現状を訴え続けるが、やがて茶畑が溢れる美しい村が汚されてゆく過程と、村の人々の悩みや苦しみが浮き彫りになっていく……。