気候の変化による海水面の上昇で水没の危機に瀕しているモルディブ。その三代目大統領に就任したモハメド・ナシードが祖国を救うため、CO2削減の国際協定締結に尽力する姿を追ったドキュメンタリー。レディオヘッドが音楽を担当している。監督は数々のドキュメンタリーでカメラマンとして活躍してきたジョン・シェンク。
ストーリー
2008年にモルディブの大統領に就任したモハメド・ナシードは、今まで世界の他のどんなリーダーが経験したものより大きな問題に直面していた。それは文字通り、モルディブと国民が“生き残る”ことができるかどうかという問題である。世界中でも特に平均海抜が低いモルディブは、海水面が1メートル上昇すれば、1200ある島全てが海に沈み、人が住めなくなると言われているのだ。この問題は、30年の独裁政権にピリオドを打ち、モルディブを民主化した彼の目にさえも、それまでより遥かに難しいものとして映っていた。ナシード大統領の任期1年目、2009年にコペンハーゲンで第15回気候変動枠組条約締約国会議が行われた。そこでは、国際会議で恒例の政治的駆け引きが行なわれていたが、ナシードは他の政治家と違い、自分の手の内を明かすことをためらわなかった。彼はその“作戦”の中で、小さな国の弱い立場を逆に利用し、メディアの力を使って他の発展途上国との結束をアピール。それによって会議の行き詰まりを打開しようとしていたのだ。協定が結ばれる可能性が消えかけた時、その危機を救ったのは、ナシードが行った感動的なスピーチだった。小国にもかかわらず、気候変動に対して迅速な行動を求めたナシードの声は、世界を導く意見の一つとなったのである。
スタッフ
監督、撮影
ジョン・シェンク
製作総指揮
ジョン・エルス
音楽
レディオヘッド
音楽
スターズ・オブ・ザ・リッド
編集
ペドロ・コス
録音
リンコルン・エルス
プロデューサー
リチャード・バージ
プロデューサー