「人生はビギナーズ」のマイク・ミルズが、日本のうつ病患者たちの姿をとらえたドキュメンタリー。5人のうつ病患者の日常生活を明るくスタイリッシュに映しながら、日本社会の問題点も鮮やかに描き出す。製作は、「パシフィック・リム」製作総指揮のカラム・グリーン、「TOKYO! <メルド>」監督補の保田卓夫。
ストーリー
90年代のユース・カルチャーを代表する映像作家マイク・ミルズは、ここ短期間で爆発的に広まったうつの実態に迫るドキュメンタリーを作るため、日本のうつ関係のチャットルームで出演者の募集を行った。条件は、抗うつ剤を飲んでいることと、日常生活をありのままに撮らせてくれること。応募してきた多くのうつ病患者の中から5人を選び、彼らの日常をマイク・ミルズならではのスタイリッシュな映像でとらえていく。母親と同居している20代の女性ミカは、医薬品の配達をやっており、抗うつ剤と酢を飲むことを日課としている。37歳の男性タケトシは両親と同居し、援助してもらっている。絵を描き、細かく日記をつけており、働いた経験はない。病院でのうつの集会にはまじめに参加している。コンピュータプログラマの30代の男性ケンは、週末になるとハイヒールとホットパンツで外出するが、ゲイであることを家族に打ち明ける勇気はない。定期的に縄師のもとを訪れ、自分の手足を縛ってもらっている。30代の女性カヨコはアルバイトをしている。眠っているときがいちばん幸せだという彼女は体重の維持に努めており、ほとんどの時間泣いているか、ペットの世話をしている。30代のエンジニアの男性ダイスケは毎日4種類の抗うつ剤を服用しており、飲酒と喫煙の量も少なくない。彼は写真撮影やジャズ鑑賞、サボテンを育てることを趣味としている。