グザヴィエ・ドラン
ユベール・ミネリ
「わたしはロランス」のグザヴィエ・ドラン監督デビュー作。母親との関係に悩み衝突しながら成長する少年を瑞々しく描く。ドラン監督が脚本・主演も担い、自伝的な要素も含まれている。監督が19歳のときに制作した本作品は第62回カンヌ映画祭監督週間にて上映され、C.I.C.A.E賞、Prix Regards Jeune賞、SACD賞を受賞。また、第83回アカデミー賞外国語映画賞カナダ代表に選出され、大きな注目を集めた。ほか、「わたしはロランス」のアンヌ・ドルヴァルや同作品で第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀女優賞を獲得したスザンヌ・クレマン、ドラマ『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』のフランソワ・アルノーらが出演。
17歳の少年ユベール・ミネリ(グザヴィエ・ドラン)はカナダ・ケベック州の何の変哲もない町でごく普通に暮らしていたが、ここのところ自分の母親が疎ましく思えてどうしようもなかった。洋服やインテリアを選ぶセンスのなさ、口元には食べカスをつけ、口を開けば小言ばかりと、母親の一挙手一投足が癪に触っていた。母親を受け入れ難く思う一方、理由もなく苛立ってしまう自分にも嫌気がさしていた。そして母親のことを、愛情表現が素直にできず、ユベールのことをコントロールしたがるくせにそれについて罪悪感を抱くような自己矛盾があると分析する。かつては大好きだった母親への憎しみは日増しに膨れていく中、ユベールは夕暮れのセント・ローレンス川沿いの土手に腰をかける母親を偶然見かける。その光景は無垢だった幼い頃に見た情景と重なり、安心感を覚える。そんな幼少期への郷愁と折り合いをつけるべく、ユベールはある行動に出る……。
ユベール・ミネリ
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