エドモンド・ロウ
Sir_Everard_Dominey
「旋律の殺人」「洋上魔」のエドモンド・ロウが主演する映画で、E・フィリプス・オップンハム作の小説を「大空の闘士」のフランク・ウイードが脚色し、「戦慄の殺人」と同じくアラン・クロスランドが監督に当たり、「舞台に立つ妻」のミルトン・クラスナーが撮影したもの。助演者は「倫敦の人狼」「幻の合唱」のヴァレリー・ホブスン、英独映画界にありしヴェラ・エンゲルス、英国劇界から招かれたヘンリー・モリスン、「白い友情」のエスター・デール、「東への道」のスプリング・バイントン、「ロスチャイルド」のマレイ・キンネル、「フランダースの犬(1935)」のフランク・レイチャー、ラムスデン・ヘーア、ブランドン・ハースト等である。
英国の貴族エベラード・ドミネーは仏領東アフリカを旅行中、一行からはぐれてイウァン・ブルン卿経営の鉱山支配人、レオポルド・フォン・ラガシュタインに救われた。ドミネーとラガシュタインは全く瓜ふたつの容貌をしていた。ところがこれを幸いにラガシュタインは同僚シュミットの助けを借りてドミネーを殺害し、自らドミネーになり澄まし、ブルンの右腕シーマンに迎えられて英国に渡った。渡英後彼は以前決闘で殺したアイデルストロ公爵の夫人に発見されたが、これを知ったシーマンは彼女をオーストリアに追放してしまった。ラガシュタインはいよいよドミネーの邸に乗り込んだ。邸には発狂せるドミネー夫人エリノアがいた。エリノアの付き添いアンサンク夫人は、かつてドミネーに殺害された彼女の息子ロジャーの亡霊が現れるとおびえていた。狂えるエリノアはロジャーの仇を討つと偽物と知らずラガシュタインの殺害を企てるのであった。その頃独仏の国交緊迫しついに宣戦布告となり、ブルンは時こそ来たれと英国軍需工場破壊を企みラガシュタインやシーマンに命令を伝達した。折柄ドミネー家には殺害されたはずのロジャーが母の看護で一命を取り止めていたが、正気を失った狂える男となっていた。ある時偽ドミネーはシーマンを殺害したが、自分も重傷を負って倒れた。このころ正気に戻ったエリノアは真心をこめて彼を看護し、その甲斐あって彼は全快した。そしてその時初めてラガシュタインは殺害犯人のドミネーでもなく、またドイツ人でもなく、実は英国国家のために働いていたドミネーその人である事が判明した。
Sir_Everard_Dominey
Eleanor
Stephanie
Duchess_Caroline
Eddie_Pelham
Dr._Schmidt
Sir_Gerald
Seaman
Mrs._Unthank
Middleton
Dr._Harrison
Duke_Henry
Sir_Ivan_Brunn
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