チャールズ・レイ
Ben_Wilson
チャールズ・E・バンクス氏の原作を、チャールズ・レイ氏初期の映画を数多く監督したことのあるジェローム・ストーム氏が監督した。主役チャールズ・レイ氏の対手役には、「加州目指して」「毒蛇」等出演のガートルード・オルムステッド嬢が出演し、その他ガートルード・ショート嬢、ジャック・クリフォード氏等が共演している。
ベン・ウィルスンは自分がテノールの天才であると信じ、忙しい家の仕事の暇を盗んで歌の練習に努めていた。美しいアデリーンという娘が、この村に住むように成って、ベンと彼の兄ビルとは、互いに娘の愛情を得ようと努めたが、純真なベンにアデリーンは好意を示していた。兄は邪魔になるベンを追払おうとして、彼をシカゴのカフェーに紹介した。何も知らぬベンは自分の声の認められる日の来たのを喜びアデリーンと婚約後勇んでシカゴに出発する。しかしシカゴで彼は兄に誠意のないことを発見したが、勇を鼓して演奏の舞台に立った。オーケストラは彼の得意のスウィート・アデリーンの伴奏を始めた。ベンは余り立派な周囲に気を呑まれて、日頃の声が出なくなった。聴衆は野次半分に喝采する、彼は益々アガって終った。ただ一人彼に同情してくれたコーラス・ガールのメリーに励まされて、ベンの口からは、素晴らしいメロディーが流れ出した。満堂の聴衆は今度は本当に喝采した。ベンは錦を飾って故郷へ帰った。アデリーンの微笑みが、彼を優しく待って居たことは言うまでもないことである。
Ben_Wilson
Adelsne
Bill_Wilson
Pa_Wilson
Ma_Wilson
The_Fat_Lady
Cabaret_Dancer
[c]キネマ旬報社