78歳にして有り余る情熱を秘めたイギリスを代表する世界的建築家ノーマン・フォスター。エリザベス女王から貴族の爵位を贈られ、現在もアップル新社屋を設計するなど、旺盛な創作活動を続けている。友人・知人たちのインタビューや実作の映像を交えて、様々な角度から、この老建築家の創造の核心に迫るドキュメンタリー。
ストーリー
“モダニズムのモーツァルト”と評されるイギリスの建築家ノーマン・フォスター卿を知っているだろうか。ロンドンを訪れたことがある人なら、彼の設計した圧倒的に優雅な建築物をいくつも目にしているはずだ。2000年以降、大英博物館グレート・コート、ミレニアム・ブリッジ、スイス・リ本社(通称ガーキン)、ロンドン市庁舎など、彼の手による特徴的でエレガントな建築物が次々と誕生している。その活躍はイギリス国内に留まらず、世界中で多くのプロジェクトを手がけ、国際的な評価を獲得。現在78歳のフォスター卿はノートと鉛筆を携え、地球を飛び回る。世界20か国以上に拠点を設け、70年代から建築界の最前線を走ってきた。1935年、マンチェスターに生まれたフォスター卿は決して経済的に恵まれた家庭環境ではなかった。両親を安心させるため、市役所に就職したものの、やがて建築の世界に惹かれてゆく。空軍で兵役を終えた後、幸運にも建築事務所に就職するが、仕事は設計士ではなく契約の補佐。しかし、建築に対して有り余る情熱を抱く彼は、ポートフォリオを作成して建築家として働きたいと上司に伝え、ある家の設計を任される。それが最初の転機となった。やがてモダニズム全盛のアメリカで建築を学んだ後、設計事務所を開設。鉄とガラスを多用し、構造体を外部に露出させたハイテク建築で独自のスタイルを確立する。洗練された革新性を備えたその建築から、“ハイテク建築の御三家”の1人として、リチャード・ロジャース、レンゾ・ピアノと並び称されるようになり、エリザベス女王から貴族爵位を贈られる。仕事上のパートナーだったリチャード・ロジャースや構造家、芸術家などのインタビューに加え、80年当時の若かりし頃の映像や、師であり重要な対話相手でもあったバックミンスター・フラーの映像など、様々な角度からノーマン・フォスター卿の創造的建築人生に迫る。
スタッフ
監督
ノルベルト・ロペス・アマド
監督
カルロス・カルカス
ナレーション
デヤン・スジック
エグゼクティブプロデューサー
アントニオ・サンス
撮影監督
バレンティン・アルバレス
音楽
ジョアン・バレーン
編集
パコ・コザール
プロデューサー