パク・ウォンサン
キム・ジョンテ
軍事独裁政権当時の韓国で、民主化運動の中心人物だったキム・グンテが公安警察に不当逮捕され、22日間の壮絶な拷問を受けた事件を、キム・グンテ自身の手記を元に映画化。出演は「7番房の奇跡」のパク・ウォンサン、「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」のイ・ギョンヨン。監督は「折れた矢」のチョン・ジヨン。
韓国で軍事独裁政権の嵐が吹き荒れた時代。当局は人々の私生活や息遣いまで監視していた。1985年9月4日、民主化運動家のキム・ジョンテ(パク・ウォンサン)は、家族と銭湯に行った帰り、警察に連行される。それまでにも何度か警察の呼び出しを受けていた彼は、これも大したことではないと考えていたが、正体不明の男たちによって目隠しのまま連行されたのは、ソウル南営洞の治安本部“対共分室”。そこは、公安当局が共産主義者追放を名目に、いわゆる“工事”を行なっていた拷問室だった。家族や外部との音信は一切絶たれ、暗く冷たいコンクリートの床の上で、あらゆる拷問を利用した虚偽の自白強要。ためらいもなく残虐行為に及ぶ捜査官に屈せず、キム・ジョンテは供述拒否を続けていた。だがその目の前に口笛を吹きながら現れたのは、“葬儀屋”と呼ばれる拷問技術者イ・ドゥハン(イ・ギョンヨン)。こうして、人間の尊厳を根こそぎ奪い取る残虐な22日が始まる……。