フィリップ・ヒューストン
Clark_Jenkins
新顔のフィリップ・ヒューストン、「一対二」「空の軍隊」のジェームズ・グリーン、「無限の青空」のジューン・トラヴィス、「激怒(1936)」「情無用ッ」のブルース・キャボット、「東への道」「全米軍」のアンディ・ディヴァインが共演する映画で、フランシス・ウォーレスの原作をアーウィン・ショウが脚色し、「大帝の密使」「紅雀」のジョージ・ニコルズ・ジュニアが監督に当たり、ハリー・J・ワイルドが撮影したもの。但し蹴球場面はエドワード・キリーが監督している。助演は「進め龍騎兵」のC・ヘンリー・ゴードン、「硝煙牧場」のグィン・ウィリアムス、「大学の人気者」のジョン・アーレッジで、その他1935年度の全米軍選手8名が特別出演している。
クラーク・ジェンキンスとカル・カルフーンはアトランチック大学の蹴球スタア選手だったが、両人ともある炭坑の坑夫だったのを蹴球賭博師のジョージ・スコットが掘り出して来てア大学に売りつけたのだった。試合の日、クラークの母親が迷子になったのを助けたクラークの同窓の女学生マーガレット・アンソニイは、その縁でクラークと仲良くなった。彼女の父ブラッド・アンソニイは有名なスポーツ記者で彼がピックアップする全米蹴球チームは最後の決定とほとんど相違いない位に権威のあるものだった。クラークが膝を傷めたことをカルから聞いたジョージは、アトランチック対ミッドウェストの試合に前者に賭けてたのを後者に賭けなおし、また賭博師仲間にも知らせた。それがミッドウェストにまで知らされ試合中クラークは膝を狙われて患部を悪化し退場の余儀なきに至った。このためについにアトランチックは一般の予想を裏切って敗北した。このことを知ったアンソニイはクラークが賭博師と内通している疑い有りと新聞に書いたため、ア大学当局は狼狽してクラークを放校すべく理事会を開いた。席上コーチは蹴球で大学は毎年百万ドルを設けている事実を指摘し、悪いのは一選手のみでないと言ったので、クラーク放校の動議は葬り去られた。そしてアトランチックは強敵ニッカーボッカーを破り、勝ち放しのイーリーとローズ・ボウルで戦うこととなった。マーガレットは父がクラークを後ろ暗いことをしていると書いたのを遺憾とし、彼女はクラークの潔白を信じると言って彼を激励するのであった。事実、彼の膝の件はカルが言ったのであり、クラークは病父と母と無能の兄を扶養せねばならぬので、その費用を蹴球部から出して貰っているだけだった。イーリーとの試合前夜、クラークの許に電話があって兄のピートが賭博に負けて困っていると聞き助けに出掛けて、そのまま帰らなかった。賭博のギャングスター、ドウスンがクラークを監禁して翌日の試合に出さぬ策略からであった。当日アトランチックの蹴球部は大騒ぎをしたし、マーガレットもピートも心配して探したが行方は分からない。試合は始まった。その時カルが電話の話をして、何でもパレスホテルの12号室らしいと言うので、大急行で見当をつけた1812号室を襲うと案の定、クラークは縛さられていた。クラークは後半の第四クォーターの終に出場して、形勢逆転、最後の1分30秒で7対6のスコアでアトランチックの勝ちとなった。クラークがマーガレットの愛を得たことは言うまでもなかろう。
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