アンナ・ネトレプコ
イオランタ
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)で上演されるオペラを、舞台裏の模様も盛り込み5.1chサラウンドの音響や10台以上のHDカメラを駆使し撮影するシリーズ。本作では2015年2月14日に上演される、アンデルセンの童話を基にしたチャイコフスキー晩年の作品を収録。本作はMETでは初めての演目で、バルトーク『青ひげ公の城』と2本立てで上演される。目が見えないことを知らずに育った王女と彼女に惹かれた伯爵が呼んだ奇跡を、ロシアが誇る名指揮者ワレリー・ゲルギエフと名ソプラノであるアンナ・ネトレプコのコンビで贈る。演出は映画「秋への別れ」を手がけたマリウシュ・トレリンスキ。
プロヴァンスを治めるレネ王(アレクセイ・タノヴィッツキー)の娘イオランタ(アンナ・ネトレプコ)は、生まれつき目が見えなかった。悲しんだレネ王は、イオランタが自分の目が見えないことを悟らせないよう山中の城でひっそりと彼女を育てていた。治る手立てはないか医師(イルヒン・アズィゾフ)に仰ぐが、医師は治療のためにはまずイオランタが自ら見えていないことを理解しなければならないと言う。そんな中、イオランタの婚約者であるブルゴーニュ公爵ロベルト(アレクセイ・マルコフ)とその友人ヴォデモン(ピョートル・ベチャワ)が城に迷い込んでくる。イオランタの美しさに惹かれたヴォデモンは彼女と話すうちに、彼女は目が見えていないことに気付く……。
[c]Baden-Baden Festival Photo: Andrea Kremper
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