マルセロ・アルバレス
カニオ
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)で上演されるオペラを、舞台裏の模様も盛り込み5.1chサラウンドの音響や10台以上のHDカメラを駆使し撮影するシリーズ。本作では2015年4月25日に一緒に上演されるマスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』と並ぶヴェリズモ・オペラの代表作を収録。妻の不貞を知り現実と芝居との区別がつかなくなっていく道化師の苦しみを描いた悲劇を、METをはじめ各地で活躍するデイヴィッド・マクヴィカーの新演出で上演。指揮はMET首席指揮者のファビオ・ルイージ。道化師が怒りや悲しみをこらえ芝居の仕度をする名曲『衣装をつけろ』を、現代を代表するテノール歌手マルセロ・アルヴァレスがドラマティックに歌う。
19世紀後半。南イタリアのある村に、道化師のカニオ率いる旅回りの芝居一座がやってきて、その夜催す芝居の宣伝をする。一座の花形女優でカニオの妻ネッダは独占欲の強い年上の夫に辟易しており、この村で恋人を作っていた。ネッダに横恋慕し振られたトニオは、ネッダと恋人の逢瀬の場にカニオを連れてくる。妻の裏切りに激怒するカニオだが、開演時間が迫っていた。激情を抑え芝居の準備をするが、次第に現実と芝居の内容との区別がつかなくなっていく……。
[c]Anne Deniau/Metropolitan Opera
[c]キネマ旬報社