ドロシー・マッケール
Clarissa_Janeway
「笑う門には福来る」と同じくジャック・マルホール氏ドロシー・マッケール嬢共演映画で監督は右記映画及び「痛ましの親心」をものしたジョン・フランシス・ディロン氏である。原作はサタディ・イヴニング・ポストに掲載されたグレース・サートウェル・メーソン女史の小説でペリー・ネーザン氏が脚色した。助演者は「アメリカ美人」出演のウォルター・マッグレイル氏、エディス・チャップマン嬢、フィリップ・スモーリー氏、レイ・ホーラー氏。
クラリッサはボストンの名望家ジェーンウェイ家の一人娘であったが、一にも二にも家名とか世間体とかを気にしている昔気質の祖母とは正反対に新時代の教育を受けたモダン・ガールだった。従って2人の間には何時もいさかいが絶えなかった。祖母は土地の旧家たるヴェン・ブリーマー家の子息ラルフをクラリッサの婿にと一人合点で決めていた。ある日クラリッサの馬が物に驚いて彼女の邸に働いている園丁のダニーに怪我をさせたので、クラリッサは彼を援助する意味で邸の近くに一軒の珈琲店を建ててやり、彼女自身も夜はやって来て世話を焼いた。もちろん祖母はこれには大反対だった。そのうちにクラリッサは毎夜決ってダニーの店にやって来るジェフという運搬車の運転手をしている男と心安くなりいつしか2人は恋し合う仲となった。やがてクラリッサはジェフと結婚することに決心したが、ジェフは彼女を愛してはいるものの彼女との交際がそれ以上に進むのを恐れていた。それはジェフは今こそ零落しているが元は相当知られた家柄だったので、珈琲店の女給などをしている女と結婚して平生から家柄を誇っている母を失望させたくないと考えたからだった。心から愛する恋人を失ったクラリッサはすべてを思い諦めて祖母の勧めのままにラルフ・ヴァン・プリーマーと結婚しようとした。ところが不図ジェフの運搬車を襲おうとする悪漢共のあることを知ったクラリッサは結婚式場を飛出してジェフの後を追い、機智を以てジェフの危難を救った。やがて前後の事情を知ったクラリッサの祖母は始めて孫娘とジェフの仲を許したので、愛する若人には幸福が訪れた。
Clarissa_Janeway
Jeff
Clarissa's_Grandmother
Ralph_Van_Bremar
Clarissa's_Father
Danny
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