トニー・カーティス
Paul_Callan
リングの王者が聾唖者だったという設定のボクシング映画。監督は「千の顔を持つ男」「雷撃命令」のジョセフ・ペヴニー。ウィリアム・アランドのオリジナル・ストーリーを「決斗!一対三」のバーナード・ゴードンが脚色している。撮影は「世界を駈ける恋」のアーヴィング・グラスバーグ。音楽ハンス・J・ソルター。主演するのは「手錠のままの脱獄」のトニー・カーティスと「街中の拳銃に狙われる男」のジャン・スターリング、「愛欲と戦場」のモナ・フリーマン。他にウォーレス・フォード、ハリー・シャノン、コニー・ギルクリスト、キャサリン・ロック、ジョー・グレイ、ロン・ハーグレーヴ、ハリー・ガーディノ等が出演している。製作レオナード・ゴールドスティン。黒白・スタンダードサイズ。1952年作品。
ニューヨークのとある場末のリングではポール・キャラン(トニー・カーティス)の強烈なパンチに観衆がわいていた。見守るのは名マネジャー、ジャック・リチャードソン(ウォーレス・フォード)と踊り子ソニア(ジャン・スターリング)だった。ポールは聾唖者であった。試合の後ポールはソニアとデイトを楽しんだが、ソニアは金が目当てのあばずれ女でポールはよいカモだった。ジャックは試合からポールの素質を見ぬき契約した。本格的トレーニングの後、ポールは各地でKO勝を連続し、多額のファイト・マネーをソニアに与えた。巡業試合から帰ったポールにジョー・バーンズのマージャーが試合を申し込んで来た。バーンズはイカサマ試合の殺人ボクサーだった。ジャックはポールを呼んでバーンズの使う卑怯な手を1つ1つ教えた。ある日、ジムに雑誌記者アン・ホリス(モナ・フリーマン)が取材に来た。耳の不自由な父をもつアンは同じく耳の不自由なポールをよく理解し、ポールもソニアとは違う清楚なアンに強く魅かれ、2人は愛し合った。バーンズとポールの試合はポールの勝利に終わった。待望のチャンピオン、アル・ローガンとの試合を前にポールはアンの勧めで聾唖学校に入り、専門医の手術を受けた。パーティの夜、訪れたポールを見てアンは驚喜したが、ポールはパーティの人々の話し声をきいているうちにアンと自分の世界の違いを感じてとび出した。ポールはローガンとの試合のため練習を始めたが、耳の聞えることが逆作用して彼のパンチには威力がなくなった。やがて試合の日が来た。はじめ優勢だったポールは歓声が沸くにつれて神経質になり、しかも手術した耳を強打されてダウンした。しかし再び聴覚を失ったポールは立ち直った。遂にローガンをノック・アウトしてポールはチャンピオンになった。しかし、リングを降りるポールはまた音の無い世界に戻った。しかし、アンの腕をとって退場するポールの耳に奇蹟的にも彼の勝利を報じる新聞売子の呼び声がかすかに聞えて来た。
Paul_Callan
Sonya_Bartow
Ann_Hollis
Jack_Richardson
Mrs._Richardson
Cliff
Al_Logan
Lou_Callan
Mike_Callan
Murph
Whitey
監督
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
美術
編集
[c]キネマ旬報社