三元雅芸
タオ
無数の忍者の死体が転がる近くで目覚めた忍者が、記憶を失い様々な疑惑が浮かぶ中、何が起きたのか探るアクション・サスペンス。日本に古くから伝わる古武道を取り入れている。千葉誠治監督と主演の三元雅芸は「AVN/エイリアンVSニンジャ」に続き再びタッグを組んだ。甲賀に潜入していたくの一を「ドライブイン蒲生」の黒川芽以が、伊賀の下忍を「ハブと拳骨」の虎牙光輝が演じている。ホラーやサスペンスなどファンタジー系作品が一堂に会するシッチェス映画祭の出品作を集めた特集企画『シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2015』にて上映。
天正6年。伊賀の下忍・突悪(たお/三元雅芸)が目を覚ますと、そこは薄暗い洞窟の中だった。突如突悪は下忍の邪鬼(じゃき/虎牙光輝)に襲われる。伊賀の仲間だという邪鬼だが、突悪に襲われたと主張。邪鬼が示す先には、洞窟の入口あたりに転がる無数の伊賀忍の惨殺死体があった。彼らを殺したのは突悪だと言われるが、突悪にはまったく覚えがなかった。それどころか自分の名前すら覚えておらず、突悪はすべての記憶を失っていた。洞窟の奥へ進むと、伊賀忍・楓衣(けい/黒川芽以)の死骸が。楓衣は伊賀にまぎれこんだ敵国・甲賀の忍びは誰か探るために甲賀に潜入しており、裏切り者を記した密書を手に伊賀に戻る途中に何者かに襲撃されたようだと邪鬼は説明する。すると突悪は伊賀忍たちを相手にしているときの記憶を断片的に蘇らせるものの、思い返すたびに記憶は変わっていってしまい、楓衣の死についても判然としないままだった。邪鬼の提案により、楓衣を甲賀に送り込んだ狐野(きの/島津健太郎)と楓衣からの密書を上忍に届ける役目にある密通(みつ/辻本一樹)が彼女の帰りを待つ廃寺に向かうことに。その途中、上忍から罰せられるのを恐れ楓衣を迎えに来た蜜通と、蜜通を追いかけてきた狐野に遭遇。実は密書は狐野が持っており、そこには裏切り者として蜜通の名前があったと言う。あり得ないと訴える蜜通を、狐野と邪鬼は容赦なく斬り殺してしまう。さらに続けて二人は密書に突悪の名前もあり、裏切り者であることが暴かれたため突悪が楓衣を殺したと告げる。その言葉を聞き、突悪は楓衣を手にかけたときのことを思い出すが……。
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