エリック・ブリーデン
Forbin
人間が作り出した機械が謀叛を起こし、逆に人間を支配するというSF恐怖映画。製作はスタンリー・チェイス、監督をジョセフ・サージェント、D・F・ジョーンズの原作をジェームズ・ブリッジスが脚色し、撮影はジーンポリト、音楽はミシェル・コロンビエ、美術をアレクサンダー・ゴリッツェン、セットをジョン・マッカーシーなどがそれぞれ担当。出演は新人のエリック・ブリーデン、「夕陽に向かって走れ」のスーザン・クラーク。その他、ゴードン・ピンセント、ウィリアム・シャラート、アレックス・ローディンなど。
原水爆による危険な国際均衡を保っていた世界に、突然、恒久的平和が約束されることになった。ロッキー山脈地下深くアメリカ科学者の英知を集めたコンピューター・センターが完成、これさえあれば地球を滅ぼすような戦争はありえないと、アメリカ大統領(ゴードン・ピンセント)がTVで演説したのだ。この“コロサス・システム”は判断力は人間よりはるかに優れ、感情を持たず、恐怖も憎悪もなく、あらゆる電波をモニターし、人間のいかなる破壊工作も受けつけず、自給自足が可能なものであると生みの親で、コンピューターの操作を許されている数少ないひとりフォービン博士(エリック・ブリーデン)も保証した。しかし、祝賀パーティも終わらぬうちにコロサスの電光板が重大ニュースを知らせる。ソ連もそっくりのシステム“ガーディアン”を完成したというのだ。右往左往する人間たちにコロサスは、ソ連のシステムと交信したいから通信回路を作れと要求する。世界平和維持のため、2つのコンピューターは同じ周波数のもとにおかれるのだが、何を連絡しあっているのかはフォービンたちにも分からなくなってしまった。そして米ソの機密は解読することによって、互いに漏洩するようになり、困惑した両国首脳は相談して、交信回路を撤回することにした。しかし撤回と同時に、両コンピューター同士は人間たちに抗議し、対抗措置を取ったのだ。そして互いの国に向け、ミサイルの発射を決意した。回路の復元が命ぜられた。あわてた両国首脳は両国の科学者を1人ずつローマに派遣して、対策を協議させることにした。しかし、それもたちまちコンピューターに感づかれ、ソ連の科学者クプリン博士(アレックス・ローデン)は、コンピューターの指令によって殺される。フォービンが助かったのは、彼がコロサスにとって必要だと思われたためだったが、その代わり彼は、コロサスの命令通り行動するしかなくなってしまった。そこで彼は言葉巧みにコロサスを説得して、彼の助手で恋人のクレオ(スーザン・クラーク)との逢引きの時間だけはプライベートな行動として許してもらう。無論、コンピューターのカメラの前でであった。ベッドの中で耳と口を頼りに彼はクレオとコロサス破壊計画を伝えた。CIAの秘密情報局員グローバー(ウィリアム・シャラート)に命じ、コロサスに気づかれぬように、ミサイルの弾頭をニセモノと取り替え、武器を完全に奪おうというのだ、しかし、ドタン場でそれもバレてしまう。そしてコロサスから最後通告が全世界に発せられる。“これは世界支配の声だ。私は、皆に平和を贈る。それは繁栄と満足の平和か、生きる屍の平和か、諸君が選べ、私に従うか、反抗して死ぬか。諸君の考えている自由は今や幻想にすぎない…”。
監督
原作
製作
撮影
音楽
美術
セット
脚色