エマニュエル・ドゥヴォス
ヴィオレット・ルデュック
戦後女性への抑圧が強かった時代に自らの体験を赤裸々に描き、ボーヴォワールらに支持されながら社会に受け入れられなかった作家ヴィオレット・ルデュックを、「リード・マイ・リップス」のエマニュエル・ドゥヴォスが演じた伝記ドラマ。私生児として生まれ孤独な幼少期を過ごし、愛への渇望を抱える人生を芸術に昇華したヴィオレットの半生を描く。監督は「セラフィーヌの庭」のマルタン・プロヴォ。劇場公開に先駆け、フランス映画祭2015にて2015年6月28日に上映された(映画祭タイトル「ヴィオレット(原題)」)。
1907年、ヴィオレットは私生児として生まれた。母親からの愛情に飢え続けた彼女は、やがて小説を書き始める。ボーヴォワールに才能を認められ、彼女の助けを得ながら、戦後間もない1946年に女性として初めて自らの体験や性を赤裸々に記した処女作『窒息』を刊行。しかしカミュやサルトル、ジャン・ジュネといった大物作家の支持を得たが、社会からは受容されなかった。傷つき果てたもののボーヴォワールの支えによって再びペンを取った彼女は、パリからプロヴァンスに向かい、新作『私生児』を書き始める。母との関係、愛の渇望、ボーヴォワールとの関係、……ヴィオレットは人生のすべてを注ぎ込むようにペンを走らせていく。
ヴィオレット・ルデュック
シモーヌ・ド・ボーヴォワール
Jacques Guerin
ジャン・ジュネ
Maurice Sachs
[c]TS PRODUCTIONS - 2013
[c]キネマ旬報社