リカルド・トレパ
イザク
2015年に他界したマノエル・ド・オリヴェイラ監督が、半世紀以上温めた脚本を直し101歳の時に撮り上げた幻想譚。早世した女性の撮影のため青年がカメラを向けると、死んでいるはずの彼女に微笑みかけられ、その美しさの虜になる。オリヴェイラ監督の孫で「ブロンド少女は過激に美しく」「夜顔」など数々のオリヴェイラ作品に出演するリカルド・トレパが不思議な愛に没頭するユダヤ人青年を、魅惑の微笑みを浮かべる死んだ女性を「シルビアのいる街で」「女王フアナ」のピラール・ロペス・デ・アジャラが演じる。第63回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門上映作品。
雨が降るある日の夜、イベリア半島を流れるドウロ河に近いある小さな町の写真店に富豪の邸宅ポルタシュ館の執事がやってくる。急ぎの写真撮影を依頼しようとするが、しばらくの間店主が留守にしていた。途方に暮れる執事だったが、通りかかった男に写真が趣味のユダヤ人青年イザクを紹介され、急遽イザクの下宿を訪れることに。そして若くして死んだ娘アンジェリカの最後の写真を撮ってほしいと依頼する。ポルタシュ館にアンジェリカの死を悼む親類縁者が集まる中、イザクは白い死に装束に包まれ青いソファに横たえられたアンジェリカの前まで案内される。彼女の母に促されカメラを向けたところ、死んでいるはずのアンジェリカが瞼を開けファインダー越しに彼に微笑みかけてきた。驚き思わずのけぞるイサク。気を取り直し撮影を済ませ、早々に館を後にする。写真を現像したところ、3枚のうち1枚のアンジェリカがやはり彼に微笑みかけてきた。イザクは朝食も取らずに農夫たちの写真を撮りに出発。その日はアンジェリカの葬儀が厳かに執り行われた。夜、アンジェリカの写真を手に物思いにふけっていると、バルコニーにアンジェリカが現れる。抱き合った二人は、そのまま宙へ舞い上がり浮遊していく。しかし彼女の名前を叫びイザクが飛び起きると、そこは部屋のベッドの上だった。イザクはアンジェリカへの思いを募らせ、それに応えるかのように彼女は再び姿を現すが……。
イザク
アンジェリカ
Mae
Engenheiro
Clementina
Criada
Freira
Mendigo
Justina
監督、脚本
製作
製作
製作
製作
製作
撮影
美術
美術
編集
衣裳デザイン
メイク
録音
助監督
製作主任
理髪
[c]Filmes Do Tejo II, Eddie Saeta S.A., Les Films De l’Apres-Midi,Mostra Internacional de Cinema 2010
[c]キネマ旬報社